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菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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優生保護法強制不妊手術問題

 昨日4/24、表記に関する救済法案が可決、成立、施行されました。支援団体が沢山の問題点を指摘しながらも逃げ切られてしまった格好です。
 この法律の主な問題点は下記です。

○前文で「旧優生保護法の下、多くの方々が、生殖を不能にする手術・放射線の照射を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきたことに対して、我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびする」としていて、責任の主体が明確でない。優生保護法という法律に基づいて、また法を拡大解釈して実施されてきた人権侵害なのだから、救済法としては国の責任を明記して反省すべきである

○一時金の金額が低い。320万円というのは、交通事故で生殖機能を喪失した場合の慰謝料が1000万円以上ということや、水俣病・ハンセン氏病等の場合と比べてもあまりに低い。

○調査が不十分。過去の記録について国は医療福祉機関に問い合わせをしたが半数しか回答せず、記録があると答えたのは0.3%のみという状態。本腰を入れて厳密に調査すればもっと分かってくる実態があるはず。

 昨年1月に宮城の被害者が提訴して以来、裁判は異例のスピードで進んでいる。原告もどんどん増えている。来月に最初の判決が出る見込み。救済法の国会審議はその前にとにかく終わらせたかったのでしょう。
 法律は一度不十分なものが出きてしまうとその後改善していくのがなかなか大変。一般的には「法律ができたんだから解決したもの」と思われてしまう。

 というようなことを昨日毎日新聞の記者さんから電話取材を受けたので急いで答えたのですが、今日見た紙面ではなんだか違うことが・・。



優生保護法強制不妊手術問題_f0210120_15001175.png


 私は決して「一歩前進」とは評価していないのでお間違えなきようお願いします。

**********************

「強制不妊救済法、成立で終わりじゃない」被害者や家族ら

毎日新聞 4月25日

「歴史的な一歩だ」「国は責任を認めて謝罪して」「一人も取り残さない救済を」――。旧優生保護法下で不妊手術を強いられた障害者らに一時金320万円を支給する議員立法の救済法が24日、参院本会議で可決・成立し、施行された。終戦直後の1948年に施行され、強制不妊などの条文を削除した96年の母体保護法への改定も経て、70年余。放置されてきた全国の被害者や家族、支援者らが万感の思いを込めて語った。

「尊厳奪われた…」「人権侵害を十分に反省せず」

 法案の審議は午前10時50分すぎに始まり、数分で採決された。直後、傍聴席で見守っていた被害者や家族ら10人が複雑な表情を見せた。

 昨年1月に初の国賠訴訟を起こした宮城県の60代女性を支え続ける義姉は「初提訴から1年余りでここまで進むなんて……」と語り、続けた。「救済法成立で終わりじゃない。国は法的な責任を認めていないし、正式な謝罪もない。裁判で闘うしかありません」

 「優生手術に対する謝罪を求める会」の米津知子さん(70)は旧法改定時も国会で傍聴した。23年前と同様に車椅子で訪れ、「今回は多くの議員や当事者ら前よりもずっと多くの人がかかわれた」と喜ぶ一方、「これだけの人が束になっても納得いく補償を勝ち取るのは難しいのでしょうか」と問いかける。

 救済法成立への思いは全国で聞かれた。

 手術を受けたという山形県の女性(67)の姉(71)は「声を上げて良かった」と思う半面、「人の人生の尊厳を奪ったのに一時金は安い。国の謝罪がないのは、うがった見方をすれば金で解決しようと受け取れます」。

 強制不妊の被害者が少なくとも364人いることが分かっている福岡県。だが、これまでに国賠訴訟の提起はなく、被害弁護団への相談も少ない。弁護団事務局長の国府朋江弁護士は、早期成立を評価しつつ「手術記録があっても情報が本人に届かず救済に結びつかない可能性が高い」と個別通知が盛り込まれなかったことを批判。さらに「被害者が子供を持つ選択肢を奪われた上、存在をも否定された重大な人権侵害を十分に反省する内容になっていません」と訴えた。

 東海地方でも評価と批判の声が交錯。「優生手術被害者とともに歩むあいちの会」共同代表の木全和巳・日本福祉大教授は「仙台地裁の判決が出る前に決着をつけたかったという意図が見え見えだ」と指摘。もう1人の共同代表の名古屋市立大の菊地夏野准教授は「少しは前進」としつつ、「責任の主体を明確にして調査を尽くすよう国に訴えたい」。

 障害者の自立生活を支援する三重県のNPO法人「ピアサポートみえ」の杉田宏理事は「国の責任は明記されるべきだ」と注文。一時金も「被害者の権利を低く評価することになる」と疑問を呈す。

 神戸地裁で係争中の原告5人も不満を示した。聴覚障害者夫婦の小林宝二(たかじ)さん(87)と妻喜美子さん(86)は「夫婦でつらい思いをしたのに手術を受けた本人(妻)しか補償されないのはおかしい」と憤る。兵庫弁護団の藤原精吾団長は「一時金を受け取るかは今後判断する。受け取ったから損害賠償の必要はないと国に主張されないよう、気をつける必要がある」と話した。

 救済法は個別通知をしないとしているが、厚生労働省は都道府県の独自判断は拘束しないという。「国の責任逃れ」との見方があり、鳥取県の平井伸治知事は取材に「法成立は通過点だ」と改めて個別通知など独自策に意欲を示した。全国に先駆けて救済策に取り組み、22日に退任した北海道の高橋はるみ前知事は「金額が不十分との当事者の声は重い。一時金を上回る司法判断が確定した場合は(一時金を増やす)法改正を検討しなければならないと強く思います」。【上東麻子、二村祐士朗、野村阿悠子、望月靖祥、平川昌範】
 




# by anti-phallus | 2019-04-25 14:55 | その他

『日本のポストフェミニズム 「女子力」とネオリベラリズム』

 いろいろ書きたいことはありながら(もともと怠け者のため)時間がどんどん過ぎていきます。
 書かなくちゃいけないことの第1位は、やっと本を出せたことです。


〈目次〉
第1章 ネオリベラリズムとジェンダーの理論的視座
第2章 日本におけるネオリベラル・ジェンダー秩序
第3章 ポストフェミニズムと日本社会――女子力・婚活・男女共同参画
第4章 「女子力」とポストフェミニズム――大学生アンケート調査から
第5章 脱原発女子デモから見る日本社会の(ポスト)フェミニズム――ストリートとアンダーグラウンドの政治
第6章 「慰安婦」問題を覆うネオリベラル・ジェンダー秩序――「愛国女子」とポストフェミニズム

いちおうamazonはこちら。



書き下ろしと加筆修正したものとから成っています。
大月書店さんはジェンダー関係で重要な本をたくさん出されているのでそういう意味でも嬉しいです(憲法と同じ年、ってコピーがすごい・・)。
ここ数年かかりっきりでした(キャパ少な・・)。
今読み返すと恥ずかしくて、後悔してばかりですが、とにかくこういうことを誰かが言わないと、というもどかしさとあせりからやっていたような気がします。

なんというか、ジェンダーとセクシュアリティについて捉え方の形と方法を変えないと、何も見えてこない、ということを言いたかったのかな。今までのフェミニズムだけではどうにも立ち行かないでしょ、ということ。

今は大変だった作業が終わってほっとしています。ですが、ポストフェミニズム論、フレイザー、ネオリベ批判、これらをどう活かしていくのかが問われるので、もっと考えていきたいとも感じています。

ご批判、ご講評お待ちしています。

ついでに、(というと怒られますが)下記もぜひご覧ください。この本の延長上にあるものです。


 キリスト教関係の雑誌ですがフェミニズム特集に書かせてもらいました。

〈目次〉
特集 生きるためのフェミニズム

ポストフェミニズムとネオリベラリズム――フェミニズムは終わったのか......菊地夏野
ほどほどに女性が生きていくために......栗田隆子
生き残るための神学――批判的フェミニスト神学の聖書解釈について......渡邊さゆり
共に在るためのフェミニズム――クィアとのつながりに目を向けて......飯野由里子
セックスワークを通して考える当事者論 ――個人的なことは政治的なことかつ個人的なこと......要 友紀子
〈インタビュー〉リベラルなモスクを建てた女性弁護士――セイラン・アテシュさんに聞く










# by anti-phallus | 2019-03-25 14:18 | 仕事

3/17優生保護法イベント大橋由香子さん障害とジェンダー

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# by anti-phallus | 2019-02-19 11:22 | イベントの案内

#MeTooへの誤解

 色々な人と話をしてて、#MeTooへの誤解というか反発というかが存在しているように感じる。それはフェミへの誤解や反発とも通じているようだ。
 元ネタとしてよく触れられるのが下記。

 社会学者その他を肩書きにしている鈴木涼美さんという方だが、これは、かなり言いかたを選びながら書いているような、なかなか分かりにくい文章ではある。おそらくその主張(のようなもの)は下記から分かるかな。


オンナだって一枚岩ではないのだ。男並みに実力とロイヤルティーで働きたい女性、女なりに活躍したい女性、女ならではの活躍をしたい女性。そんな中、女の武器などなかったことにして、勉学や労働に勤しみ、あたかも乳も足の付け根もついていないかのように振る舞い、かといって女性らしい美しさを失わない、きれいで清廉潔白な女性はどんどん発言の場が広がり、汚いものが駆除されて働きやすい時代が間近に迫っているのかもしれない。

 しかし、清廉潔白でもきれいでもない女たちは、つるし上げられるバブルおやじたちを横目に、ちょっと本音でも漏らせば、おじさんに向けられている矛先がすぐにでも自分の眉間を目指しそうな、嫌な緊張感のもとにいる。


 鈴木さんは、「女性活躍社会」のもとでこういうタイプの女性は生きづらくなっているということと、だからといって女性差別がなくなることを望んでいないわけではない、ということを言っている。
 どうもこの文章が、#MeToo運動を批判する文脈で紹介されることが多い。それで「え?」と思ったのと、それからもしかしたらこういう受け止めかたって実は多いんじゃないかと思うのである。例えば学生たちの中で、#MeTooやフェミをどう受け止めたらいいのか分からず、ついこういう言い方で否定的に考えてしまう子がそれなりの割合でいる気がする。

 この視点が決して#MeTooやフェミなどの性暴力反対の運動と矛盾するものではないことを理解してもらわないといけないと私は思う。
 男性中心社会に対して、女性は色んなスタンス、色んな方法で生き延びようとしているわけで、それは鈴木さんの書いている通り。公的なルールに則り、学校では成績を上げて、職場では成果や評価を上げてがんばるタイプもいれば、女性性を利用して生き延びようとする人もいる。また両方の方法を使おうとする人もいるし、あるいは全く違う道を選ぶ人もいるだろう。ちなみにわたしなどは、ジェンダー論とかフェミなどどいうある意味女性にやりやすい道を歩んできたから、ある意味女性性を利用したといわれるかもしれない(それほど楽な道でもないが笑)。ジェンダーから無縁に生きられる人はほとんどいないので、それが現実です。良いとか悪いとか言われることではない。

 それが、まるでフェミは真面目な優等生タイプの女性以外は認めていないように思っている人がいるが、それは違います。逆に、田中美津さんのリブ宣言などは、好きな男性に媚びてしまう自分も受け止めようとするところから始まっている(『いのちの女たちへ』参照)。あまり知られていないですよね、こういうこと。私はフェミのこういうところが本当に素晴らしいと思うのだけど。

 そもそも、セクハラという概念は、自分が嫌なことは嫌と言っていい、という発想から生まれているので、女性が女性性を利用する行為は本人が納得しているなら悪いことでもなんでもなく、セクハラとは次元が違う。#MeTooがそういう女性のあり方を否定しているというのは誤解だろう。そういう傾向があるとしたら、それはむしろ#MeTooを受け止める社会のほうが、被害者に「清廉な被害者モデル」を期待する問題だろう。
 フェミニズムは決してそういうものではない、はず。そういうフェミニストがいるかもしれないと不安だが・・・。

※ついでに、鈴木さんのブログの冒頭の「未開地の部族」とか「原始人」という言葉はひどすぎるので、社会学者を名乗るのならばちょっとまずいのではないかなと一応思ったことを付け加えておきます。













# by anti-phallus | 2018-12-08 20:38 | フェミニズム

日程変更!【イベント】セックスワーカーに連帯するフェミニズムへ

台風のため日程変更になりました!


【日本女性学研究会11月例会】
「セックスワーカーに連帯するフェミニズムへ」

・日時:11月23日(金・祝)13:30(13:00開場)〜16:30
・場所:ドーンセンタードーンセンター 大会議室3(4階)

・日時:9月30日(日) 14:00(13:30開場)~16:40
・場所:「エル・おおさか」会議室・南101(南館10階)

・趣旨説明:菊地夏野
・お話:要友紀子
・参加費:800円(日本女性学研究会会員は無料)
 当日お支払いください。申し込みは不要です。

《今、セックスワークについてどのように考えるべきか》
 売買春/セックスワークをめぐる状況は、近年多様化しています。当事者の声や運動も可視化されるようになりました。フェミニズムや女性運動ではこれまで様々な議論がありましたが、現状を受けて改めて今、セックスワークについてどのように捉えるべきか考え、対話する時間を設けたいと思います。ぜひご参加ください。

★プロフィール★
☆要友紀子(かなめ・ゆきこ)
 セックスワーカーとして働く人たちが安全・健康に働けることを目指して活動しているグループSWASH(Sex Work and Sexual Health)の代表として長年活動を継続。著書に『風俗嬢意識調査 126人の職業意識』(共著、ポット出版、2005)、9月発売『当事者視点で考えるセックスワーク・スタディーズ』(SWASH編、日本評論社)など。

☆菊地夏野(きくち・なつの)
 第3波フェミニズムの視点からセックスワークを含めジェンダー・セクシュアリティについて研究。ネット公開論文に「セックス・ワーク概念の理論的射程」あり。名古屋市立大学教員。

主催:日本女性学研究会
http://www.jca.apc.org/wssj/





# by anti-phallus | 2018-09-29 06:41 | イベントの案内