菊地夏野のブログ。こけしネコ。
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ポーランド女性たちのストライキの力
お久しぶりです。面白い記事を翻訳してもらったので掲載します。
タイトル通り、ポーランドのウィメンズ・ストライキの情報です。
「99%のためのフェミニズム」の関係で調べていたところ、この記事が引っかかりました。
ウィメンズ・ストライキについて日本語での情報はほとんどありません。
この筆者は面白い人で、「3.11」の調査を行って本(英語)を出版しています。
(誰か翻訳して!!)
これを読み出して以降、ロシア政府のウクライナへの侵攻が本格化し、
にわかに日本のメディアに東欧の情報が溢れ出しました。
情報が増えるのはもちろん良いことですが、その多くは表面的なものばかりのように
感じるのは私だけでしょうか。
単純にプーチンを、ロシアを悪者化することで戦争は終結に向かうのでしょうか。
それどころか、日本の政治家は、戦争に乗じて軍事の必要性を求める世論作りに
利用してはいないでしょうか。
ロシアとウクライナの戦況報道ばかりで、国内の政治ニュースはかき消されています。
参院選前だというのに。
このポーランドのウィメンズ・ストライキは、中絶が完全に禁止されたことに
反対するものです。
90年代の資本主義経済へ移行の混乱の中、教会の勢力が強まり、女性の権利は
せばめられました。
他の東欧諸国同様、ポーランドも(ウクライナも)急速な市場化とそれに伴う社会の矛盾の激化、
格差の拡大に苦しみ、そのなかで右派ポピュリズムが躍進しています。
右派ポピュリズムはトランプに代表されるように、中絶の権利など女性の権利を
抑圧します。
長めの文章で、決して読みやすくはないので、訳出には苦労しました。しかも原文はポーランド語。
(翻訳は尾髙温さんにお願いいたしました。私の方で一部修正しました。)
ですがじっくり読んでいただけると、現地の空気感が伝わるはずです。
中絶を犯罪化する刑法堕胎罪があることも知られていない日本で、
このような運動を理解することの難しさもかみしめつつ。
英語はこちら。
★★★★★★★★★★★★★★★★
ポーランド女性たちのストライキの力
By Katarzyna Boni 2021年4月21日
2021年3月8日の「国際女性デー」。赤い口紅で顔に稲妻を描いた私は、バックパックに魔法瓶を入れ、自分の権利を要求するために街頭へと出た。この日、「国際女性デー」の伝統的なプレゼントである家父長制的カーネーションとストッキングをもらう代わりに、私はワルシャワ環状交差点に6時間立ち続け、気温が氷点下まで下がるなか、警察の警戒線の中に閉じ込められた。そこに集まった総勢200人程の平和的な抗議者たちは皆、中絶禁止法撤廃に向け、市民の主導権を示すための署名を集めていた。警官の数は私たちの人数を大幅に上回っており、2000人くらいだったという人もいた。警官たちは私たちの集会が違法だと、拡声器を通して私たちに伝え続けてきた。私たちは彼らをマカレナ・ダンスの波で溺れさせてやった。数人の女性たちは警官たちの面前に憲法の写しをヒラヒラとかざして、平和的な抗議の権利が列挙されたページを見せた。時々、警官は明白な理由もなく、群衆から女性を引っぱり出し、彼女を地面に引きずっていった。私は自分を取り囲む警官の目を見て、こう叫んだ、「恥を知れ!」
つい6か月前なら、私は自分の意志で警察の警戒線の中に身を置くなんてことはなかっただろう。しかし、その時以来、多くのことが変わったのだ。
その判決は、2020年10月22日(木)の午後早くに言い渡された。憲法裁判所の15人の裁判官で構成された委員会は、胎児に重度の障がいがある場合の人工妊娠中絶を違憲とする判決を下した。
その日、私は全身が痛んだ——私は思った、おそらくそれは、ダンスと判決によるものだろうと。
私が女友だちたちと一緒にワルシャワから東へ、森の近くの別荘に向かっている間、女性たちは憲法裁判所の建物の前に集まっていた。そこから数キロ、彼女たちは「法と正義党(PiS)」の議長であり、ポーランドで最も権力を持つ政治家であるヤロスワフ・カチンスキの家まで「くたばれ(Fuck Off)」と書かれた横断幕を掲げて行進した。
友人たちと私は週末を一緒に祝うことになっていた。だが私たちは乾杯するどころではなかった。ニュースをノンストップでチェックした。私たちは別荘に着いた翌朝、警察がワルシャワで抗議をする人々に対して催涙ガスを使用したという記事を読んだ。
全身がカッと熱くなった。
ポーランド全土で、女性たちが憲法裁判所の判決に対して抗議の行進をした。彼女たちは金曜日、土曜日、そして日曜日も行進し続けた。COVIDの行動制限下でも散歩は許されていたため、彼女たちは「散歩」をしたのだ。主に「全ポーランド女性ストライキ」の傘下で、何百もの自発的な直接行動があった——「草の根の、怒りに燃えた女性たちの独立した社会運動」だ。これまで女性たちがそんなことをしたことのなかった小さな都市や町にまでこの抗議の行進は広まった。
ワルシャワの聖十字教会で土曜日、ミサの間に女性が祭壇に上り、「私の身体は私が決める」と書かれた紙を広げた。男たちは彼女の手を引っ張り、教会から追い出した。彼女の口を塞ぐ者や、「黙れ、アバズレ」と叫ぶ者もいた。森の黄金色の日差しの中で、私たちは自称「教会の警備員」たちが別の抗議をする人を階段に押し付けている映像を見た。束の間の一大事を誇りに思う男たちや女たち、つまりこのキリストの兵士たちは、「私たちは教会を冒涜させません」と叫んでいた。警察は突っ立って見ているだけであった。
私の体は燃え続けていた。まるで紛争地帯にいるように。
月曜日、私はワルシャワに戻った。そして通りや環状交差点を「散歩」する女性たちに合流した。私は神経質になっていた。なぜならポーランドは1日12,000人もの新規感染者を出すコロナ第二波の真っ最中であったし、そこには警察がいたからだ。夏の選挙キャンペーンの間、アンジェイ・ドゥダ大統領率いるポーランドの政治家たちは、「LGBT」は現代の人々を表すのではなく、イデオロギー(空論)だと主張した。
その「イデオロギー」が人間の姿を証明するために街頭を襲った時、警察は活動家を残酷に逮捕し、さらにその活動家たちを警察署から警察署へと転々とさせ、弁護士たちを煙に巻いた。今ではそれは、道路を歩く「イデオロギー」ではなく、母親であり、祖母であり、娘であり、姉妹、妻であった。おそらくそれが警察がより慎重になっていた理由であろう。警察は脇に立ち、拡声器を通してコロナ感染の危険性について声明を発表した。私たちは抗議運動の新しい讃歌となったEric Prydzの “Call on Me” に合わせて街頭で踊った。この曲のリズムが ”Fuck off PiS(くたばれ「法と正義党(PiS)」!)”というフレーズと完全に一致していると気づいた人がいた——それは韻を踏んでさえいた。路面電車は停止し、ビートに合わせて警笛を鳴らした。
フロントガラスやボンネットに稲妻マークを描いたタクシードライバーたちが通りを封鎖し、私たちに加わった。もはやそれは中絶禁止法のことだけではなかった。それは、私たちすべての尊厳に関わることだったのだ。
数日後、私は街頭に戻った。太陽が熱く照りつける中、私は片手で自転車を押しながら、もう片方の手で赤い稲妻マークを描いた白い横断幕を掲げた。稲妻マークは2016年以来、ポーランド女性たちの抗議の象徴となっている。人々はベランダに出て拍手を送り、シーツに描いた稲妻マークを窓から吊り下げた。このシンボルは私たちが通過した店先にも飾られていた。私たちは陶酔しながら国会議事堂まで行進した。私たちは怒りに燃えると同時に歓喜し、そして強かった。
その夜私は帰宅すると、嗅覚を失っていることに気づいた。
憲法裁判所が判決を下してから1週間後となる金曜日、「全ポーランド女性ストライキ」はワルシャワでの大規模な抗議運動を宣言した。10万人が首都の通りを行進した。しかしながら私にはCOVID陽性の検査結果が出ていたため、できることといえば、窓辺から稲妻マークを掲げ、スマホでソーシャルメディアの様子を見ることだけだった。
私は毎日ぐっすりと眠った。熱に浮かされた夢の中でさまざまなイメージが交錯した。ヤロスワフ・カチンスキが「中絶禁止法への抗議運動の目的は、ポーランドを破壊し、国家の歴史を終わらせることだ」と全国演説をする姿、——カチンスキの胴体と腕、彼の言葉や考え方(協会とニヒリズムのどちらを選ぶかが問題だと彼は言う)、何百もの都市や町から43万人もの人々が通りや教会の前に「散歩」に出る姿、警棒で抗議者を殴打する警官たちの姿、教会の入口やバス停留所にスプレー書きされた「国境なき中絶」組織へのアクセス番号が消された姿、右翼民兵が人々を群衆から引きずり出して乱闘する姿、ジャーナリストや身分証明書を掲げる女性国会議員の顔に催涙スプレーが吹きつけられる姿、そして「キリストの肉体と共にある」と高々と掲げられた段ボールのスローガンなど。私の体は「棺桶」ではない。肝臓結石を妊娠予定日まで抱え続けてみなさい。もしミサの侍者が妊娠したら、中絶は聖餐式となるだろう。政府は妊娠ではなく、終末を与えることになるであろう。
50年前、若い女性たちは中絶するためにスウェーデンからポーランドに来ていたものだ。共産主義の下で、その手の手続には大きな制限がなかったのだ。しかしながら現在、ポーランドでは世界で最も厳しい中絶禁止法が施行された。2020年まで、下記の3つの場合に限って中絶は許可されていた。母親である女性に命の危険がある場合、胎児に重篤な障害がみとめられる場合、妊娠がレイプの結果であった場合だ。過去30年間、人口4000万人の国で、合法的な中絶の数は年間1000件にとどまっている(法律の短期的な緩和のおかげで、1997年には一時的に約3000件に急上昇したが)。もちろんそれは政府による統計だけの数だ。毎年15万人のポーランド女性がシステム外で中絶をしていると推定される。どうしてこんなことに至るのか?
90年代初頭、私たちの若い民主主義は共産主義から資本主義への急速な移行をしようとしたため、すべてが変わった。当時、政治家と教会は不文律の妥協案を打ち出した。政治エリートたちは、家族、セクシュアリティ、道徳の問題はカトリック教会によって決定されることに同意した。その一方で、教会の役割は民主主義への移行に不満を抱く人々を落ち着かせ、最悪のナショナリストたちの衝動を抑制するというものだ。この取り決めへの責任を示すために、1993年に中道政権は中絶法を変更した。中絶に関する国民投票を支持する200万近い請願署名は、政治家たちにとっては司教職の支持を得ることより重要ではないと証明された。権力バランスにおける教会の支配をどの政権もひっくり返すことができなかった、1997年に選出された左翼政府でさえも。女性の身体に関する政治家たちの取引は無意味だった。ともかく、2015年に「法と正義党(PiS)」が選挙で選ばれたとき、保守派は権力を握った。私たちの身体をコントロールしたいというナショナリストたちの欲望がさらに強く引き起こされた。10月22日の憲法裁判所の判決が意味することは、公式にポーランドでは、中絶は事実上すべてなくなるということだ。
女性たちは、抗議運動での主な叫びとなった「くたばれ!(Fuck Off!)」の掛け声で、これに答えた。しかし多くの人々にとってこれは問題だった。メディアのコメンテーターや非常に賢明な紳士たちは、女性たちがこの下品さで抗議運動を弱体化させていると説明した。彼らは団結させるのではなく分断していた。さあ前に進んで革命を起こしなさい、だけど政治的な戦略を持ってやった方がよい、という人たちもいた。1789年のパリの路上の群衆を誰が覚えているだろう? 人々はロベスピエールのことは覚えている! 人々はダントンのことも覚えている! 政治家たちは記憶に残った、男たちは記憶に残った、だから私たち女たちは政治に食い込んでいこうとする方がよいのだ、あれやこれやに「くたばれ(Fuck Off)」と言っているだけでなく。とても失礼なこと以外を。
最初、「くたばれ(Fuck Off)」が私の耳に不快に聞こえ、舌にもつんとする響きを持っていたことを認める。2015年から断続的にデモに参加していたが、2015年に「法と正義党(PiS)」が裁判所を取り込もうとポーランドの権力分立に反対するクーデターを起こしたとき、私は概して傍観していた。私は群衆の中にいるような感覚や、ある種の政治的な表現に従わなければならないという感覚が好きではない。しかし、「くたばれ(fuck off)」が喉元に引っかかったとき、その理由を自問自答し始めた。私は教授の母と政治家の父を持つリベラルな家庭で育った。両親は伝統的な性別役割を嘲笑し、自分自身の人生について決定することが基本的な人権であると信じていた。それでも、自分の思考を点検してみると、家父長制が私の奥深くに宿っていることに気づいたのだ。「そんなに気難しくなるな。礼儀正しくしていろ。あまり多くを求めすぎるな。男性たちはもっと賢いのだから、問題を起こすな」
私が(2015年に)独立した司法機関を守るために抗議したときは、抽象的なものを擁護する「身体」だった。だが、(2020年)10月以来、私は思想を守っているだけでなく、私自身の身体を守っているのだ。
判決が下されてから3ヶ月後の2021年1月22日、憲法裁判所はその見解を完全に公表した。同日、政府が「Journal of Laws」誌にそれを掲載したことによって、法が施行された。多くの法律専門家は2020年10月の判決は法的拘束力がないと主張した。「法と正義党(PiS)」がポーランド憲法に違反して自分たちの党の支持者で裁判所のメンバーを固めたからという理由だ。しかし、それが何を変えるというのだ? 現状といえば、政府は現在、ポーランドの女性たちに病気の赤ちゃんを出産することを強いている。スーツを着た男たちは、こうすれば少なくとも赤ちゃんが死ぬ前に洗礼を施すことができると言っている。そして女性たちは泣くための特別な部屋を手に入れるだろう。なんて素晴らしい政府を私たちは持っているんだろう。
その1月の日、全国各地で抗議行動が起こった。私は街の外の山の中にいて、稲妻マークを雪の中に描いていた。抗議運動は数日続いた。そして再び静寂を取り戻した。しかし、3月8日の国際女性デーには、別のデモが行われた。私はそこにいるべきだとわかっていた。その夜、警察の非常線が私の周囲に近づいてきたので——防弾チョッキを着た4列の男たち——私は恐怖を感じた。それは原始的で、身体的なものだった。私は逃げ出したかったが、そのまま硬直してしまった。私が独立した司法機関を守るために抗議したとき、私は抽象的なものを守る「身体」であった。それは義務感によって行進したものだけれど、確信はなかった。中絶禁止法に抗議することは、違うと感じた。(判決の下った)10月以来、私は思想を守るというよりも、自分自身を守っているという気になった。私たちは踊り、叫び、自分達の身体について決める権利について激怒している。警察の非常線の中で、私は「恥を知れ!」と叫んだ。「くたばれ!」と叫んだ。私は警官の目を見ていた。恐怖は消えた。私にとって「くたばれ!(Fuck Off)」の言葉は、もう問題ではない。
秋の街頭に出た数百万人の女性たちは、今では数百人しか残っていない。多くの人が私たちに何が問題なのだと聞いてくる。今のところそれを示すものが何もないもう一つのロマンティックな蜂起は、ポーランドの伝統の一種で言うところの、賢明にうなずく「口髭を生やした叔父さん」か。彼らは私たちにアドバイスを与えるけれど、「くたばれ!」と言われることを恐れている。その言葉は彼らの感受性を傷つけるのだ。彼らはすでに大きな変化が起こっていることを見ることができない。現在、ポーランドの女性たちは、妊娠12週までの合法的な中絶に完全にアクセスできるよう求めている。この立場は、ポーランド市民の66%の支持を得ている。「法と正義党(PiS)」はうっかり、他の政党にこの問題に関しての立場を取るように強制した。非常に中道的な反対派でさえ——聖職者との独自のダンスに閉じ込められており——「困難な生活条件」(それが意味するものは何でも)の場合、最大12週間の間の中絶を支持するようになった。非常に賢明な紳士たちは結論に至った:「O K、煽動者たちよ」と。
非公式で無党派のイニシアティブである「全ポーランド女性ストライキ」は憲法評議会を組織した。その指導者たち、というよりコーディネーターたちは、街頭からの叫びを集め、それを13の要求としてまとめた。それらは教育に対する女性の権利から環境保護主義にまで及んでいる。私たちは合法的な中絶へのアクセスを望んでいるだけでなく、独立した司法機関、世俗的な政府、そして完全な人権も望んでいる。いわゆる憲法裁判所の判決は消え失せる(fuck off)べきだし、いわゆる憲法裁判所自体も消え失せる(fuck off)べきだ、そして政府も消え失せる(fuck off)べきだ。
800人の人たちが、これらの要求をどのように実行するかについて話し合うために協力すると志願した。意見は誰でも参加できるウェブサイトに投稿された。協議の結果はどうなるのだろうか? おそらく報告書、対話、新しい社会契約となるだろう。女性のストライキは、「口髭を生やした叔父さん」のよいアドバイスがあるけれども、政党になりたいわけではない。それが政治に影響を与えることができないという意味ではない。その勢いは多くのポーランド人が把握していないことを浮き彫りにする。政治家には、私たちの生活がどのように見えるかを決定できる権威はなく、政治家は国を運営するために私たちに雇われている人々だということを。私たちは4年に1回の投票の時だけでなく、毎日、私たちの国がどのように見えるかを積極的に決定する機会をつかむことができるのだ。
私はこれがリアルタイムに起こるのを見ている。ポーランドの都市で警察の非常線に封じ込められた人々の多くは、17,18,19歳の年代だった。彼女たちは群衆から乱暴に引っ張られて逮捕された。ポーランド中の教会前で抗議している10代の若者たちは、司祭たちに罵倒された。「お母さんたちに謝りなさい、母親たちは君たちを見捨てなかった」と。若者たちはFacebookのプロフィール写真に稲妻のアイコンを載せていることで成績を下げられる可能性があること、また抗議運動を支持した教師たちが下品な行動のために教育大臣によって罰せられる可能性があることに気づいている。
それでも、彼女たちは通りに出て、非常線と攻撃を乗り切る準備をした。彼女たちは防寒のためにサーマルのブランケットと温かいお茶を持参している。催涙ガスから身を守るためのゴーグルも。彼女たちはチョークで歩道に「くたばれ『法と正義党(PiS)』」と走り書きする。
最新の世論調査によると、18歳から24歳までの人々の30%が左翼的な見方をしているという。これは1年前の2倍の数字だ。著述家で人権活動家のアニエスカ・グラフは昨年(2020年)11月にこう書いている。「彼女たちは、まるで『妥協』という言葉を聞いたことがないかのように行動している・・・彼女たちにとって、ヨハネ・パウロ2世は、歴史上の人物であり、聖人ではないのだ」
人生で初めて街頭に足を踏み入れたすべての年代の女性たちがいる、小さな町の中央市場で稲妻マークの横断幕を持って一人で立っているのではないかと怯えながら。しかし、彼女たちは決して一人ではなかった。ここ数か月で変わったのは私だけではない。いわゆる妥協は終わったのだ。そして、まだ現状を支持している人々に向かって私は言うことができる、思いやりを持って「くたばれ(fuck off)」と。
Katarzyna Boniはワルシャワとアジアを拠点にする著述家。津波と福島の原発事故後の日本のトラウマを克服するストーリーを伝える著書「Ganbare!: Workshops of Dying」は、今年(2021年)後半にアメリカで出版される予定。
(Photo credit: Dominika Płońska)
by anti-phallus
| 2022-05-06 14:28
| フェミニズム