人気ブログランキング | 話題のタグを見る


菊地夏野のブログ。こけしネコ。


by anti-phallus

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

記事ランキング

最新の記事

3/2(土)公開研究会
at 2024-02-15 15:27
『やまゆり園事件』を読んで
at 2023-11-21 13:54
映画の感想
at 2023-11-07 20:33
ジャニーズ性暴力問題について
at 2023-09-06 13:08
松浦理英子のすごさについて
at 2023-07-25 11:52
『教育と愛国』とポジティブ・..
at 2022-08-20 17:49
時事論評
at 2022-07-04 15:33
ポーランド女性たちのストライ..
at 2022-05-06 14:28
女性議員増やせキャンペーンに..
at 2021-10-22 14:21
映画「君は永遠にそいつらより..
at 2021-09-20 11:29

カテゴリ

全体
つれづれ
非常勤問題
小説
ブックレビュー
シネマレビュー
仕事
イベントの案内
フェミニズム
セックス・ワーク
クィア/LGBT
日本軍「慰安婦」問題
原発/震災
ユニオンWAN争議
その他
未分類

以前の記事

2024年 02月
2023年 11月
2023年 09月
2023年 07月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 05月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 03月
2021年 02月
2020年 12月
2020年 10月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2019年 11月
2019年 09月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2018年 12月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 05月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 08月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 05月
2014年 03月
2014年 02月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月

その他のジャンル

画像一覧

『フローズン・リバー』

 名演小劇場にて『フローズン・リバー』を観た。
 日曜昼間なのでけっこう客は入ってました。
 映画も前知識なく見に行った甲斐あり、純粋な感想として面白かった。
 かなり暗い、貧困の現実を突きつけるようにして描いていく中で、主人公の白人中年シングルマザーと、先住民の若い女性がちょっぴりずつ関係を築いていく。
 このふたりの女優がすごくて、最初のシーンで主人公の顔がじっくりアップされていきますが、深いしわ、がざがさしてそうな肌、よくない顔色というスカパーの化粧品CMでは今すぐ脱却すべきビフォー顔としてさんざんたたき込まれる「老化」サインのオンパレード。さらにパーマはかかっているけど手入れはされてなさそうなウェーブヘア、何より極めつけは「苦悩」や「恨み」を全く隠してない表情。わたしは思わず見入ってしまいました。
 マイ・フェア・レディ的なストーリーの映画ならば最後にはこういう女性もきれいに化粧やおしゃれをして幸せそうになっているものだけど、この映画ではあくまでも変わらない、辛そうな顔のまま終わった。
 世の中には色んな女性の生き方があるし、色んな表現の仕方がある。たいていは化粧をそれなりにして、顔色良く、幸せそうにするのが良しとされるけど、わたしはこの映画の主人公のような生き方のほうが好きかもしれない。理由は説明しがたいが。分厚い化粧をしていわゆる「美人」や「かわいい」を装っている人とはなんとなく友達になれないように思う。
 化粧せず、乱れた髪で、いらいらしている女性のほうが、なんだかちゃんと生きているように感じて、憧れてしまうなあ。
 
 もうひとりの女優のほうも、太めで、いつも不愛想顔。笑顔のシーンって思い出せない。けれどストーリーが進むにつれてその内面が分ってくると、不思議な愛着がわいてしまう。
 
 フェミニスト業界では、「自分の解放」ということで、楽しげな、さわやかな女性のイメージが尊ばれる部分があるように思う。キャリアはあるけど仕事にあくせくせず、自分の趣味を楽しんで、家庭もワーク・ライフ・バランス的で家事分担も平等で、子どももかわいがって・・・という。自分が幸せであることがフェミニズムの究極の目標みたいな。
 それはそれで分かる部分はあるんだけど、それはおいといて、自分の現実に対して不満が一杯で、腹を立ててばっかりで、ちっとも女らしくないひとのほうがけっこう魅力的に感じてしまうのはわたしがひねくれているせいでしょうか。たぶんそうなんだろうな。

 映画の感想というよりは独断と偏見に基づく印象論になってしまいました。××すみません××これは読まなかったことにして、とにかく映画観てください。おもしろいので。
by anti-phallus | 2010-04-05 00:05 | シネマレビュー