菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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反婚とヘテロセクシズム

 反婚について書きます。
 世の中同性婚に向けていい感じの雰囲気のようです。もちろんそれほど社会的に認められ、日本でも実現!というほどのものではないですが、各地の自治体で同性パートナーシップに関する条例が作られ、「同性でも結婚できていいんじゃない?」というゆるい意識が広がりつつあるのではないでしょうか。

 ただ、わたしは、賛成している人の多くは積極的に絶対同性婚認められるべき!という強い意見というわけではないだろうと思います。多くの人は同性婚そのものというより、同性婚が認められたらLGBTの可視化も進み、平等になるだろうという思いから賛成しているのではないかと。

 確かにそれはそうかもしれない。じっさい、LGBTのメディアでの報道は増えてる(その一方で未だテレビのお笑い番組などではセクシュアル・マイノリティを差別しているのか?というものも多くてうんざり)。また、現実問題として自分の親や親戚に同性パートナーを紹介するとき、同性婚制度が実現していたら言いやすいでしょう。それは大きな効果だと思います。

でも、フェミニズムの視点から見ればこれは非常に苦しい。フェミニズムが長年主張してきた結婚制度の問題があいまいにされてしまいかねないからです。
もちろんフェミニズム的にいって、同性婚がよくないわけではありません。そうではなくて、同性婚の是非という問題の立て方が疑似問題に過ぎないのです。
結婚制度が問題なのは、それが同性愛者を排除しているからではないのです。それが、女性に対する差別を構成しているからであり、ひいては全ての人に対する管理につながっているからなのです。

 結婚制度は、女性を男性中心社会に従属させるための最も重要な装置なのです。多くの女性は、経済的必要から結婚を必要とします。男女の賃金格差を示すデータはたくさん出ていますので調べてもらうとして、女性は年をとればとるほど資本主義市場から安く見られ、排除されていきます。それは無情なほどです。働いている人も、多くの場合職場は女性に優しくないので、辛い労働についていけないひとは「結婚」や「出産」で仕事を辞める方向に流されていきます。わたしは主婦になるという選択を否定しているわけではありません。主婦というライフスタイルはやり方次第では魅力的でしょう。ですが問題は、それがたいていの場合女性に優先してあてがわれているポストだということです。男性も女性も自由に主婦・主夫を選択しやすい社会なら問題は小さいですが現状はそうではない。そして主婦であることの最大の問題は経済的自立がなくなることで、夫の収入に依存する弱さを抱えることになる。DVの温床です。

 女性の資本主義市場での弱さを正当化しているのが結婚制度。「夫に養ってもらっているのだから」というのが女性を解雇したり、女性を低く評価する場合の経営者の言い分。全ての女性が夫に養われているわけではない、という当たり前の事実は経営者にとっては意味がないのです。
 そして、女性自身が、今の日本の雇用システムの中で仕事をもち、家事・子育てをすることの大変さを予測しているので、胸を張って「わたしは定年までばりばり働きます」といえるひとは多くない。わたしの見ている学生の多くも、仕事と家庭の両立の負担を感じています。

 逆にこのような労働のジェンダー不平等のない社会であれば、結婚するひとはがくっと減るでしょう。(子ども、家族の問題は残りますがこれは後日。)そのとき結婚制度の価値は下がっているので、社会の様々な面が変化していると思われます。ジェンダーの意味が大きく変わっているので影響は計り知れない。
 ですが、わたしは結婚制度と資本主義の結びつきは限りなく深いと考えているので、そのような仮定は成り立たないように思う。詳細はマルクス主義フェミニズムのような話になりますので割愛。

 フェミニズムは結婚制度を批判し続けてきたのだけど、この20年くらいの社会の貧困化の中で、結婚制度が生存のための戦略的価値を最大化しているので、結婚制度批判はしにくくなっている。結婚しないで済む人はある意味エリート、ということになってしまっている。お金のある人はひとりで生活しても楽ですが、貧しいと生活資源をシェアしたほうがいいですからね。

それから男性と結婚制度ですが、男性の多くは家事をしてもらいたいというニーズから結婚制度の必要性がある。ですがそのかわり、妻子を養わなければならないという負担が出てくる。わたしはあまり分かるとはいえないのだけど、その負担感はかなり大きいのではないだろうかと思います。この男性の扶養義務は、労働者を企業のいいなりにさせる大きな要素でしょう。

そして男女どちらにしても、「結婚しないと寂しい」という心理的問題が以上の社会経済的な結婚への圧力を総仕上げしているわけです。ですがこれも、結婚制度がそれだけ社会を支配していることの効果であって、結婚が価値を下げれば別様の感じ方になるでしょう。

というような結婚制度の社会経済的分析が、同性婚やパートナーシップの議論には欠如している。みなさん、自分の性的なパートナーを国に認めてもらうなんてどれだけ「わいせつ」なことか、気づいてください!
・・・なので、わたしは同性婚自体には賛成でも反対でもないです。問題はそこではない、という立場です。そういう意味で反婚、です。















 
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by anti-phallus | 2016-02-23 17:56 | クィア/LGBT | Comments(3)