菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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小出裕章『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』

 久しぶりに小出さんの本を読んでいる。2011年にはこの方の活動に精神的にずいぶん助けられた。あの頃の熱気、原発と震災に対して多くの人が不安を抱え、何かしなければならないと感じて立ち上がっていた頃からは、自分も周りもだいぶ変わってしまった。変わりたくなくても次々に、うんざりする事件や暴走する政治に振り回され、そして何よりも忙しい毎日。はっと気づくと2011年はすっかり過去のことになっている。でも震災も原発も何も解決していない。今も問題は続いている。多分何も変わってないのかもしれない。
 こんななか、小出さんは何を書くのだろうと思いながら。
 今年の3月に小出さんは京大原子炉実験所を定年退職したらしい。

 「私はこれまで、私の人生なのだから、私らしく生きたいとずっと思ってきました。ですから、誰かにああしろ、こうしろと命令されて何かをするのではなく、すべて自分で決めてやってきました。ですが、やりたいことはたくさんあっても、全部できるわけではありませんので、その中でも、私がやるべきこと、私にしかできないことを選んでやってきました。残りの人生もそうして生きていこうと思います。
 ただ、人間は生き物ですから、歳をとることから逃れることはできません。いつまでも若いままでバリバリ働き続けられるなんてことは、それこそあり得ないのであって、歳を重ねながら、それを自覚しながら、少しずつ撤退するというのが一番いいのだろうと思っています。その意味で、私がやるべきこと、私にしかできないことを、今後はさらに厳選していこうと思います。」

 こうやって写し取ると何のことない普通の文章なのだけれど、小出さんの言葉であるせいか、やけに重く響く。
 研究者も常に競争にさらされている。小出さんは、アカデミズムの流れに逆らいながら、自分の信念に従って研究を続けてきた人。批判的に原発を研究するということは、政治にも経済にもアカデミズムにも逆らうことで、「変わり者」とささやかれること。何かまっすぐな、自分を支えるものがなければ続かないだろう。
 研究するということは、例え自然科学分野であっても、「社会」というものの広さを理解していないと本当の価値ある何かは生み出せないのではないかという気がする。自分とは立場の異なる人々が存在していて、そういう遠い人々とも共有できる価値を創造していくという姿勢が求められるはずだろう。私も長年?研究に携わっているが、その実感として、自分の利害を超える価値を目的においておかないと、どうも意欲が続かないということがある。きれいごと過ぎるかな?
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by anti-phallus | 2015-11-30 00:12 | ブックレビュー | Comments(0)

ハーヴェイ『新自由主義』

 以前注目されたデヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義』の冒頭は、アメリカの9・11以降のイラク攻撃についての批判的分析で始められています。イラクに対する戦争に、合理的な根拠がないことが分かったときブッシュ大統領は「自由」のために、イラクに自由をもたらすために戦争は正当化されると主張しました。
 そしてブッシュ政権は、イラクの公共企業体の民営化、外国企業が自由に活動する権利、イラクの銀行を外国の管理下におくこと、などの「新自由主義化」を推し進めました。
 今世紀に入って以来、このような世界の動きが繰り返されているように感じます。現在フランスを争点として起こっていることも、同様の構図へと向かっているのではないでしょうか。マスコミで報道されているパリ市民の良心的な行動、怒りの連鎖を批判する声も、このような世界の構造を変えない限り、本当の意味でかなうことはないと思います。

 一方、ハーヴェイも論じていますが、だからといって新自由主義はアメリカという「帝国」が押しつけたとはいえません。イギリスやインド、中国、スウェーデンの新自由主義化をアメリカのせいとは言えません。それぞれの国の国内事情から政策は新自由主義へと転換されていきました。

 日本もそうでしょう。日本も諸外国との関係、国際環境の中で、同時に独自の内的な歴史や事情から新自由主義化を進めています。

 とはいえ、今回のフランスの事件によって世界的な新自由主義化が一層推し進められていくだろうことも予感されます。暴力を生みだした植民地主義に人びとが気づき、暴力の連鎖とそれを利用するひとびとに世界が支配される状況を変えない限り、悪循環は続くのではないかと思われてなりません。
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by anti-phallus | 2015-11-27 17:04 | ブックレビュー | Comments(0)

「慰安婦」問題文献紹介

  林博史さんという歴史研究者の『日本軍「慰安婦」問題の核心』という本。今年出たものです。 
 長年この問題に取り組んでこられている方で、現在の状況を踏まえて、90年代以来の研究や政治の変化を分かりやすく解説しています。
 安倍政権の問題、朝日新聞の問題にも触れていて、それらの現象に対して、背景の歴史研究から振り返って批判的に応答しています。是非ご一読を。

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 それにしても、この本では歴史学の研究成果を中心に紹介されていますが、気になるのは「実証史学」批判の問題。90年代に「慰安婦」問題をめぐって実証主義対構築主義というような構図で論争があり、それを受けているのですが、林さんは「批判的な実証主義」の可能性を論じている。歴史学者としてあり得る立場だと思いますが、社会学の研究者としてはどのように考えるべきか悩ましいところ。とくに、実証主義を批判して、「記憶や言説」を重視する立場としては、林さんは名を挙げていないのですがおそらく社会学者、上野千鶴子さんなどが想定されていると思われます。
 本書でも紹介されているように、「慰安婦」問題をはじめとして戦時性暴力の問題について近年歴史学では豊富に成果が生まれている。一方で社会学では、追いついていないように見えます。
 これは何なんだろうか・・。
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by anti-phallus | 2015-11-18 15:40 | ブックレビュー | Comments(0)

理想のからだ

 ヨガをやってるとインストラクターの方が「理想のからだを目指しましょう」というようなことを言っているのを耳にする。
 改めて考えると、理想のからだって何でしょう。たいていの場合、有名な〇〇さんのスタイル、などが例に挙げられているのですが・・・。しかし、みながそういう誰かのからだを目指してそれに近くなるようにそれぞれのからだを変えていったら怖いことになるのではないでしょうか。どこを見ても同じような体型の人ばかり・・みたいな。

 人間はロボットではないので、それぞれの個性があってあたりまえ。わたしもからだに対して色々思いはありますが、やせようとするにも太ろうとするにもそれにしてもまず大事なのは、自分のからだを愛する、大事にするということではないかと。
 どこをとっても競争の激しい現代社会。とくに女性は顔やからだまで競争の対象になりがち。女を生きるっていうのはけっこうたいへんなことです。
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by anti-phallus | 2015-11-16 14:17 | つれづれ | Comments(0)

『ナゴヤ・ピース・ストーリーズ』出ました

 ここ数年がかりのお仕事、『ナゴヤ・ピース・ストーリーズ』が出ました。

『ナゴヤ・ピース・ストーリーズ ほんとうの平和を地域から』
     平田雅己・菊地夏野編  出版:風媒社  発行年月:2015.10
         税込価格:¥1,944 (本体:¥1,800)

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 その名の通り、名古屋から平和を考えてみたらこんな風になるかなという本です。わたし自身はあまり「平和」という言葉について真面目に考えることはなく、それよりは「暴力」という言葉から考えていく方に慣れています。でも今回、「平和」という言葉が散りばめられているプロジェクトに参加して、なかなか面白かったです。
 10年ぐらい名古屋にいてそれなりに市民運動界隈にも出入りしていたつもりですが、今回一応編者となって、こんなに大事な活動をしている方がいるんだなと驚くこともありました。平和や戦争といっても人によって色んな切り口があるんだなと。

 かなり、勉強になります。普段平和や戦争というと、最近はすっかり「国家」単位で考えるのがデフォルトになってしまっています。基本、戦争的な事柄は国家を守るため、ということで推奨されますので。(まあそこに「愛する人を守るため」という言い訳もくっついたりしますが、それは場面によって使い分けられています。)でも、この本を読めば、国家以前にまず地域があるし、その前に個人があるんだな、戦争や平和にも、と感じられるはずです。というかそこを感じてほしい。

 わたしの一押しは、「地域」から平和を考える、ということに加えて、普通「平和」にはくっつけられない、セクシュアリティの問題や在日外国人、野宿者運動等々周縁的な課題も含めたことです。名古屋辺りの社会運動に関心のある方にもいいです。
 それから、もちろん「慰安婦」問題が真ん中に来ていること。実は「慰安婦」問題も、平和運動や平和問題が語られるときにこぼれ落とされることがあります。多分、この問題がどんどんタブーになってきているからです。あとは、「(女)性の問題は分からない」という人が多いことなどから。でもわたしは「慰安婦」問題は、平和を考えるときに不可欠と思っています。戦争を深いレベルから考えると、「慰安婦」問題は中核にあるのです。書き出すと長くなるので以下省略。
 そして、出版社は地元の良心的な社会派出版社をあえて選びました。こういう会社が世の中を支えていると思います。こういう出版社を応援してあげてください。
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by anti-phallus | 2015-11-02 09:58 | ブックレビュー | Comments(0)