菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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結婚制度を廃止したらいい..
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渋谷区同性パートナー証明条例について思うこと

 渋谷区のいわゆる同性パートナーシップ条例の件が大きく取り上げられている。東京レインボーパレードが4/26に開催されたこともあり、盛り上がっている。パレードも渋谷の条例を意識した演出が多かったようだ。

 こんな雰囲気の中で違ったことをいうのはためらわれるが、わたしはこの盛り上がりに危惧している。

 もちろんほかにもこの条例に批判的な声はあるが、それは「同性婚や同性パートナーシップの公認自体には賛成だが、今回の条例は進め方に問題がある」というものだ。条例を推進した議員が、渋谷区の野宿者排除や「ナイキ公園」設立を推進したのと同一人物であるということが指摘されている。また、条例で定められるパートナーシップの認定手続きに高額な費用がかかることや、実質的に認定されることのメリットは小さいことなどが批判されている。ただし、これらの批判にしても「本来の正しい手続きにのっとった同性婚や同性パートナーシップ」であれば賛成、という点は大勢と変わらない。

 いつからみながこんなに結婚制度賛成派になったのだろうか。
 確かに、1歩退いて、結婚制度そのものの賛否ではなく、現状の結婚制度が男女のカップルにのみ認められていて同性カップルに認められないのはおかしい、という点のみに絞って同性婚に賛成しているのかもしれない。しかし、どんな制度であってもすべてのひとに開かれるべきだと、いつどんなときにでもいってよいものだろうか。
 連想されるのは、フェミニズムにおける女性兵士の問題である。長く男性のものであった軍隊に、女性が参入していくことの是非。軍隊とは基本的に殺人のためにある国家組織である。そこに女性も参入して、暴力を行使する権利を認められることが男女平等、あるいはフェミニズムの目標なのだろうか。少なくとも、フェミニズムでは長い議論がある。簡単に結論を出していい問題ではない。

 結婚制度が軍隊とは違って非暴力的なものだとしても、結婚制度と女性差別は切り離せない。いくら法的に見れば男女平等に規定されているからとはいえ、性役割分業を固定化し、公認するのが結婚制度である。女性は、妻・母役割を理由に賃労働では一人前の労働力とは見なされず、安い賃金に甘んじている。職場は家庭責任のない男性労働者を標準化して構成されており、「競争力のない」非男性的労働者はどんどん追い落とされて仕方ないと見なされている。しかも日本では、強い「家意識」や「家族規範」のため、結婚圧力が強く、また「ヨメ」「主人」といった上下関係を色濃くにおわせる役割名が現在でも生きている。結婚制度を利用せずに自由に生きる道はまだまだ険しい。経済的にも、精神的にも。

 そのような息苦しい制度に参入する権利を非異性愛男女にも認めるのがそんなに良いことなのだろうか。
 確かに、結婚制度に賛成なのではなく、同性パートナーシップや同性婚を認めることでLGBTの存在が可視化・公認されることが素晴らしいのだと反論されるかもしれない。だが、LGBTというありかたを否定するのがそもそもの結婚制度なのではないだろうか。男女の非対称なカップルである結婚をすることが「人としての正しいあり方、生き方」とでもいうかのように結婚制度に依存した現在の社会そのものが、それ以外の生き方を周縁化し、否定しているのである。その排他的な制度に参入することで存在を可視化されたと勘違いすることの危うさを、もっともっと自覚するべきではないだろうか。
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by anti-phallus | 2015-04-30 15:45 | クィア/LGBT | Comments(0)