菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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橋下発言について

 先週書きました。寝かせていてもしょうがないのでアップします。
 急展開していてついていけていないですが、橋下発言そのものよりもそれに引き連れて起動しそうな社会の底層の男性中心的国家主義的「本音」の侵出が懸念されます。

++++++++++++++++++++++++++

 橋下大阪市長が、「慰安婦制度は必要だった」と発言した。国内外から批判を浴びているが、その発言の問題の本質を十分掘り下げられていないように感じる。
 もちろん、「慰安婦」制度が日本軍の設置したものであり、多くの女性たちが詐欺や強制により連行されたものであるという事実を指摘することは大事だ。だが、沖縄の在日米軍幹部に対して風俗業の活用を求めたということも併せて考えると、橋下氏の問題は、単に歴史認識について知識が足りないということだけではなく、性や人権、社会の認識について根本的な問題があることを露呈している。
 風俗業がないと「海兵隊の猛者の性的エネルギーをコントロールできない」と氏は発言したが、「コントロールできない性的エネルギー」を向けられた女性のことを氏はまったく考慮していない。風俗業の中であれ多くの女性が性暴力、性犯罪に遭っている。それは橋下氏のような、男性のために女性を犠牲にしてよいという考え方が社会に根強くはびこっているからである。風俗業で働く多くの女性が、仕事の選択肢を奪われ、貧困の中で、危険で抑圧的な労働環境の中にいることを想像してほしい。社会的な偏見も厳しい。風俗業の中から少しずつユニオン等の当事者の声が出てきているが、橋下氏のように当事者たちに「危険な猛者」の欲求のはけ口をさせようという考えは、時代の流れに逆行している。発言を撤回して済む問題ではない。
 氏の言葉を借りて、兵士が「コントロールできない性的エネルギー」を溜め込んでしまうとしたら、それはなぜだろうか。それは、軍隊が非人間的な、暴力のためにある組織だからである。
 沖縄の風俗業界は、米軍占領時代、Aサイン制度という形で間接的に米軍によって管理され、多数の現地の女性たちが米兵に接客した。Aサインバーという、米軍の厳密な検査に合格した店と女性従業員のみが米兵にサービスを提供できるというシステムである。Aサインは危険な戦闘に命を賭けなければならない米兵たちの唯一の「息抜き」の場となり、とくにベトナム戦争中は大きな利益をあげた。このような巧妙なシステムがあったにもかかわらず、女性従業員たちは、ベトナム戦争帰りで荒れ狂う米兵に暴行を受け、殺害された例も多い。彼女たちは闇の中に消えてしまい、今でも沖縄の癒されない「傷跡」になっているように感じられる。
 軍隊という非人間的な組織の中にいる兵士たちをどんなに「コントロール」しようとしても、女性に対する暴力は増えるだけなのである。それは、Aサイン制度や日本軍慰安所の歴史的現実が証明している。橋下氏は、性的エネルギーの解消が必要だと考えるなら、そもそも軍隊という組織の必要性から論じるべきである。少なくとも沖縄の市民は軍隊を望んでいない。
 「慰安婦」被害者がちょうど今月に来日し、全国を回る。安倍政権を含め、日本政府のこの間の動きに危機感を抱いた被害女性がふたり、韓国から訪問して、橋下氏にも面会を希望している。大阪にも訪れるので、橋下氏は彼女たちのお話を聞いて、認識を改めてほしい。
 その上で、橋下氏のような問題ある発言を許してしまう、今の日本社会の性のあり方、人権意識の低下にわたしたちは教育、マスコミ、社会活動あげて取り組んでいかなければならない。橋下氏は「建前論は不要」だと主張しているが、じっさい、この数日のようにテレビや新聞で「慰安婦」問題や沖縄の風俗業の存在が公的に議論されることは今まであっただろうか。わたしたちは、歴史認識や基地・軍隊が女性に与える暴力について直視して議論することを避けてきたのではないだろうか。橋下氏の発言に支持されるところがあるとしたら、普段私たちが目を背けてしまう社会の「闇」の部分にあえて触れたからだろう。橋下氏はそのタブーを犯し、議論を喚起したとはいえる。
 だが、性的な行為や意識、欲求は誰かの犠牲によってしかコントロールできない恐ろしいものではなく、ひとりひとりが自分の身体を大事にし、正確な知識を得て、他者の意思を尊重しながら学んでいける、そうすべきものである。橋下氏の発言をきっかけに、社会的に性と人権について学んでいく機会とできるならば、「慰安婦」問題で国際的に非難されている日本を世界でも誇れる場所へ変えていけるだろう。
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by anti-phallus | 2013-05-20 16:24 | 日本軍「慰安婦」問題 | Comments(0)

橋下市長におすすめ

よく見たら転送歓迎となってました。とってもタイムリーな企画。西日本のみなさん、その他のみなさん、注目してください。とくに橋下さんには参加してほしいですね。個人情報だけ抜いてシェアします。

++++++++++++++++++++++++++++++++++
みなさま

今年の5月、福山、広島、岡山、大阪、奈良でハルモニの証言集会が開催されま
す。「慰安婦」問題の解決を求めるゆるやかな全国的ネットワーク、「日本軍
『慰安婦』問題解決全国行動」の会議で取り組みが決まり、各地域で準備を進め
てきました。日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワークの土井桂子さんか
らのメールを転送します。転送大歓迎です!!

渡辺美奈
********************************
2013 日本軍「慰安婦」被害者証言キャンペーン 

 1月の全国行動全国会議で取組みを決定した「ハルモニ証言集会」が添付した
ような日程で決まりました。
 高齢のハルモニお二人が来てくださって、福山、広島、岡山、大阪、奈良で集
会が開催されます。尹美香さん(韓国挺身隊問題対策協議会常任代表、「戦争と
女性の人権博物館」館長)、梁路子さん他スタッフ2名も同行されます。
 アメリカにおける相次ぐ追悼碑建設、国連女性の地位委員会でのロビー活動
の成果、安倍政権の「慰安婦」問題に関する姿勢に対して国際社会は懸念の意を
表明し、国際的な圧力は高まる一方です。京都府議会の意見書採択など国内でも
皆様の努力で解決への機運が育っています。しかし在特会だけでなく、関西ネッ
トに対する公安の不当な弾圧もありました。このキャンペーンが解決を求める世
論喚起の一助となり、問題解決へと進む力となりますように、開催地周辺のご友
人への案内等、全国の皆様のご賛同とご支援を心からお願い致します。


◎日本軍「慰安婦」被害者証言集会 inふくやま
 「ハルモニが語る 歴史の事実」
 日時:5月18日(土)13時30分~15時
 会場:延広教会(福山市本町1-6) ℡084-923-0094
 証言:吉元玉ハルモニ
 参加費:1,000円
 交流会:17時
 主催:日本軍「慰安婦」問題を考える会・ふくやま
 共催:日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
 


◎日本軍「慰安婦」被害者証言集会 in広島
「聞こえますか?  ハルモニの叫びが!」
日時:5月19日(日)13時開場/13時30分~16時
会場:広島市留学生会館
   広島市南区西荒神町1-1 TEL(082)568-5931
内容:講演/梁澄子さん(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表)
   証言/吉元玉ハルモニ
資料代:1,000円(学生無料)
主催:日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク
共催:韓国挺身隊問題対策協議会、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動



◎日本軍「慰安婦」被害者証言キャンペーン2013 inおかやま
 「ハルモニの声に耳を澄まそう! 心を傾けよう!」
  ~再び、戦争の道を歩まないために
    二度と、女性の人権が奪われないように~
 日時:5月23日(木)12時半開場/13時~15時半
 場所:さんかく岡山(岡山市男女共同参画推進センター)
      岡山市北区表町3丁目(電話086-803-3355) 
 内容: 第1部 証言・ユン代表のお話・「少女の物語」(10分間)上映
     第2部 ミニライブ(よしだよしこさん)
 参加費:1000円(学生は無料)
 主催:「慰安婦」問題を考える女たちの会・岡山
 共催:メンズリブフォーラム岡山(+複数グループ・団体に交渉中)
 協賛:日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
 

●日本軍「慰安婦」被害者証言キャンペーン2013 inおおさか●
「何度でも語る 歴史の事実はこれです」
~再び戦争への道を歩まないために~
日時:5月25日(土)12時半開場/13時開始
場所:ドーンセンターホール
講演:吉見義明さん「被害者の声に向きあって
           記録し、記憶し、未来へ語り継ぐ責任」
   尹美香さん
うた:李政美さん、安聖民さん
主催:日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
協賛:日本軍「慰安婦問題解決全国行動
資料代:一般800円/学生400円

http://www.ianfu-kansai-net.org/


●日本軍「慰安婦」被害者証言キャンペーン2013 inなら●
「何度でも語る 歴史の事実はこれです」
~再び戦争への道を歩まないために~
日時:5月26日(土)12時半開場/13時開始
場所:奈良人権センター(旧 奈良県解放センター)
(奈良市大安寺1-23-1  TEL 0742-62-5501 
JRまたは近鉄奈良駅からバス「大安寺」下車、南に徒歩3分)
講演:吉見義明さん、尹美香さん
ゲスト:キム・ボットン ハルモニ
    キル・ウォノク ハルモニ
主催:日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク、アイ女性会議なら、
   多文化共生フォーラム奈良、部落解放同盟奈良県連合会女性部
協賛:日本軍「慰安婦問題解決全国行動
資料代:一般800円/学生400円


◎その他滞在中に広島女学院大学、広島市立大学での講演/証言、協力団体訪問、
交流会、大阪市長面会などが予定されています。

◎関連行事
*4月20日(土) 映画「希望へと羽ばたく蝶」「終わらない戦争」「カタロゥ 
          ガン!ロラたちに正義を!」上映会(2回) 
          広島平和記念資料館地下会議室2
    主催:日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク

*6月2日(土) 「ぬちがふう(命果報)」の上映会
    http://www.geocities.jp/nutigafu/Top_screen.html
    午後1時開場 午後1時半開演  5時終了
         映画 午後1時半から
         朴壽南監督のお話 4時から 40分 質疑応答
   場所 : 西南学院大学 2号館2階203教室 (マルチメディア教室)
   共同主催:
 沖縄と結ぶ市民行動・福岡
     「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク
 西南学院大学 学内GP「ことばの力養成講座」
 
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by anti-phallus | 2013-05-14 13:27 | 日本軍「慰安婦」問題 | Comments(0)

家事労働の話

 10年近くジェンダー関係で研究し、大学で教えていますが、気づかないうちに「世間」とのギャップが大きくなっているような?いや前から大きいのか?

 世間の人たちは、「女性差別はどんどん解消されている」とものすごーく思っています。ですが、それは一体どういう根拠からなのでしょう???というのがわたしの疑問であります。

 先日、「最近男性が家事をするようになった」という言い方を聞きました。その中の一人の方は保育関係の方で、「だから保育園の子どもが汚れた格好をしていると、母親が何をしているのかと思う」(父親が家事を手伝っているのに母親が子どもの世話くらいしろ、という意味?)とおっしゃっていました。それこそがジェンダー規範なんだって!

 ちなみに、家事分担の調査を見ましょう。

 総務省のサイトからです。

 これを見て、家事分担が進んでいるといえるでしょうか???
 わたしは統計はダメですが、こういうとき、大事なんですよね〜。

 今、恐ろしい勢いで「女性差別は終わった」ようなイメージが老いも若きも大勢の人々に浸透しているように感じます。そうではない現実に気づくところからフェミニズムが始まるんですよね。
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by anti-phallus | 2013-05-13 21:47 | フェミニズム | Comments(0)