菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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被災地(のごく一部)を見てみた

 宮城県南三陸町、気仙沼、石巻の被災地を車で簡単に廻った。夏にも廻ったのと同じポイントなので少しは変わっているだろうと思ったが、ほとんど変化がなく驚いた。津波で建物がすっぽりなくなった地区、家の骨組みは残っているものの、サッシや戸、壁の部分はすっかりなくなった家々。ぐしゃぐしゃになった自動車の山。山間の一角に乗り上げている舟。海底の隆起によりなくなった海水浴場や、満々と水をたたえる河川。
 唯一大きく変わっていたのは、石巻の海岸に面した大きな工場を操業している日本製紙。夏には工場の建物も津波による被災のあとそのままだったが、今回は改築してきれいになり、大きな数本の煙突からは煙が出ていた。ものの本によれば、日本製紙は被災のため工場を閉鎖してしまうのではないかと住民は恐れていたが再開したため安堵した、という。
 あるひとによれば、被災者たちは義援金等小金が入ったが、それではどうにもならずやりきれなくてパチンコや酒に使っているひとも多いという。地域の飲屋街はにぎわっているという。
 そういうなかで操業再開した大工場。もともと大きな産業のない港町。被災の打撃によってさらに大企業依存が深まらないといいのだが。
 気になるのがTPP水産特区構想。地域の漁業権を解体して市場開放するらしいが、おそらくこれも大企業による漁業利権確立に道を開くものだろう。
 アメリカのハリケーンカトリーナによる被災地域で、ネオコン企業が復興を担い地域が解体することが問題になっているが、東北でも同じ危険に直面しているのではないだろうか。

 福島市内も歩いてみた。個人的にゆかりのある土地だがずっと訪れていなくて、このままだと自分の中でタブー化しそうだったのが怖くてとりあえず行ってみることにした。大晦日だというのに、駅前は人気少なく、活気がなかった。若干の印象だが、幼児の姿が少ないように感じた。
 食事したデパートのレストランでは、客がちらほらしか入っていないが、雰囲気は東北の街らしく、穏やかでおっとりしている。隣のテーブルで年配の女性が、帰省してきたらしき息子たちとしゃべっている。そのなかで「子どもには線量計持たせてんの。月に一回回収されて。モルモットだない」という言葉が聞こえる。穏やかに流れる会話の中でそんな発言がありどきっとさせられる。
 人気少ない通りを歩き、雑貨屋に入った。お店の女性が色々話してくれた。「除染をしても雨が降ると山から(放射性物質が)降りてきて線量が上がる」「福島だけ税金を少なくする等してくれないととても人が住まない」「避難所でストレスのたまった男性が女の子をレイプして妊娠してしまった」「ほかの地方の人たちはきれいなことは言うけど岩手のがれきを嫌がったり」「(日本の)南の方は別世界みたいだって」涙ぐみながら話してらした。
 福島の街はどうなってしまうのだろうか。静かで、諦めきったような空気が、ひとびとの怒りと絶望を隠している。


 きちんと調べて時間をかけて廻った訳ではないのでわたしの印象に過ぎない。だから誤解もあるだろうし、知らないことはあまりに多い。だけど自分の記録のためにも、また不十分だったとしても多くの人に東北のことを忘れないでほしい、考えてほしいと思ってアップします。


元・南三陸合同庁舎(2011年8月撮影。今回は行っていない)
f0210120_2052225.jpg


元・公立志津川病院(8月撮影。今回も行ったがほとんど変わらない状態だった)
f0210120_2054272.jpg




 これまでは沖縄と日本の関係性のように大きなものは別として、あまり「地域」という枠組みで社会を考えることは少なかった。逆に、「地域」についての語りや研究は、ジェンダー・ブラインドなものが多いため、避けていた。だが、今回の震災に遭って、自分自身の思考枠組みの修正を迫られているように感じる。修正というのは、自分の仕事とは思っていなかったことに関わっていかざるを得ないのではないかということだ。
 おそらく、沖縄の基地にしても、釜ヶ崎にしても、震災で浮き彫りになっているような東北のおかれた状況と無縁ではないどころか、深く関わっているのだと思う。自分の仕事と思っていなかった訳でもないのだが、自分の生まれ故郷について明示的に考えたり書いたりすることはないだろうと思っていたというのは確かだ。
 現在たずさわっているDVサバイバーのヒアリング調査にしても、暴力が地域性と深く関わっていることを実感する。安易に、東北が「家父長制的」だというような単純化してしまうのではない、地域とジェンダー/セクシュアリティの関わりについて考えていく必要がある。
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by anti-phallus | 2011-12-31 21:10 | その他 | Comments(0)