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朝日新聞・女子力コメント

 朝日新聞の取材を受け、コメントを載せていただきました(2月19日付)。
 このブログでも何度か取り上げている「女子力」についての記事です。このシリーズ、今日(3/8)のウイメンズ・デーを目標とする「Dear Girlsシリーズ企画」にも続いています。

 朝日の女性記者の方々が海外のメディアでは大きく取り上げられるウイメンズ・デーについて日本のマスコミが取り上げていないのはおかしいということで始められたそうで、その動機はとても重要なものだと思います。しかも切り口も、女子力という、若い世代にはもう日常語となっているにもかかわらず他の世代では気づいていない言葉から考えようとしていて、その意味でも貴重です。マスコミは男性社会であるというのは以前からいわれている定説で、このような企画が立ち上がるのも遅すぎたくらいです。
 ただ、女子力シリーズは一つの言葉をめぐって読者参加も含め多面的に取り上げていて面白かったのに比べて、Dear Girlsシリーズはやや総花的というか、ちょっと盛り込みすぎてなんだかよくわからなくなってしまっているような気もします。まあ何度もここで取り上げているように、女性・ジェンダーをめぐる状況が混沌としていて、フェミニズム内でも議論や対立が先鋭化している背景があるので、ある意味仕方ないのかも。
 しかしウイメンズ・デーというなら、twitterでもつぶやいたんですが、男女の賃金格差の報道が歪んでいるのを直して、そういった正確なデータや現象をきちんと取り上げて、「社会問題」としてのジェンダーを読者に提起するような記事がいつかできないものか・・・・「女の子、がんばって」みたいなのはポスト・フェミニズムの1ヴァージョンに過ぎないのに・・・。(女の子はもうがんばらなくていいのです・・すでにオヤジ社会の中で頑張って頑張らされてるんだから・・)
 というため息はおいといて、コメントでは、「女子力」という言葉の孕む社会的背景、構造に目を向けてもらうように努力しました。新自由主義、という「ヘタレサヨク」言葉を載せてもらったのも良かったと思います。


リンクは下記。



コメント部分だけ抜粋してご紹介します。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「女子力」という一つの言葉にこだわって、その成り立ちと移り変わり、まつわる思いなどについて考えてきました。多くの女性がこの言葉に感じる「呪縛」をほどくにはどうすればいいのか。アンケートに寄せられた声と、識者の見方を紹介します。女性記者たちの呼びかけに応じて、取材に参加した男性記者2人がいま考えることを、最後に。

「女子力」アンケートに寄せられた意見はこちら
 女子力に関する論文を書いた、名古屋市立大学人文社会学部の菊地夏野准教授(ジェンダー論)に、この言葉から見えてくる社会のありようについて聞きました。

     ◇

 女子力という言葉は、古さと新しさの両方をはらんでいます。

 日本でも女性が社会進出し、男女平等な社会にだいぶ近づいたというイメージを多くの人が抱いている一方、この言葉の使われ方を見ると、決して平等になってはいない。社会進出と言っても、実態は家事や育児、見た目の可愛さや気遣いなど、これまで通りの負担を課されたまま、男性中心の長時間労働の場に組み込まれたに過ぎません。

 女性に課される重圧に苦しめられたひとりが、電通社員の高橋まつりさんだったと思います。長時間労働の末、自死し、労災認定されましたが、亡くなる数日前、男性上司から「女子力がない」と指摘されたことなどをツイッターに書き込んでいました。エリートの男性並みに働く女性ですら、一方で女子力をも求められる。

 以前から使われていた「女らしさ」は、女性であれば自然にもつとされる性質を表します。一方、女子力は昔ながらの女性の役割を内包しながら、それを能力として「高い」「低い」と計量化し、本人が自発的に努力して身につけ、ランクアップさせるべきものという、新しい価値評価を持ちこんでいます。そこには「能力」「競争」という、ここ十数年で広がった新自由主義的な価値観が反映しています。

 若い世代に専業主婦願望が広がっていることなどからうかがえるように、女子力の意味するものを肯定する動きも見られます。雇用や社会保障の制度が揺らぐなかで、女子力が示す女性の役割に、さらによって立つことで、不安定化する社会を生き延びようとする若い世代の姿が見えてきます。それ以外のサバイバルの方法が見いだしにくいからです。

 現在の日本社会の様々な矛盾を、女子力の頑張りという形で女性に転嫁し、覆い隠そうとしている。女子力という言葉が果たしている機能は、そこにあるように見えます。(聞き手・錦光山雅子)





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by anti-phallus | 2017-03-08 13:39 | 仕事 | Comments(0)

学会発表の報告

 先週末、日本女性学会で発表してきました。ですが少々悔いが残る発表でした〜。
 というのは発表の1週間くらい前に風邪で高熱を出していて、下がったものの微熱は続き、大不調。休めない仕事のみやって、あとは横になっている状態でした。なので学会発表の準備も十分できず、パワポの原稿だけ作ったけど、リハーサルなどはできず。
 しかも内容がフェミニズムに批判的な視点を含んでいて、そのためストレスが増し・・・。そのストレスで風邪を引いたのか?という気すらします。。発表が終わったら風邪もすぐよくなってきました。。。
 まあ熱で頭がおかしくなって暴言を吐く、とかいうことはなかったのでよかったかもしれません。時間オーバーしてしまい、質疑応答が十分できなかったのはわたしのせいです、飯野さん・堀江さん、参加していただいた皆さん、本当にごめんなさい。しかも配布資料が小さくて見にくいと不評を買ったこともあり、ここに再掲させていただきます。

+++++++++++++++++++++++++++++++
変容か?正常化か? クィア・スタディーズの視点から「婚姻/家族」の規範性を問う

ネオリベラル・ジェンダー秩序の試論
日本女性学会大会20160619
菊地夏野

0 本報告の目的
「新自由主義とジェンダー・セクシュアリティ」を考える基本的見取り図(理論的アプローチ)作成の試み
 
◯問題意識
日本社会における新自由主義は女性に対して−−−ジェンダー・セクシュアリティの面で−−−どのような意味をもっているのか
→最新のジェンダー秩序の輪郭 ジェンダー平等は達成されたのか?
フェミニズムとネオリベラリズムの関係

1 新自由主義とは
80年代以降福祉国家(資本と労働の矛盾の調整)の縮減→新自由主義の登場
 
民営化・資本主義の論理の拡大 競争・格差の増大労働のフレキシビリティ
公共性の変質 福祉の契約主義 ワークフェア政策
新保守主義の登場 反動ではなく補完
社会的連帯の喪失

デヴィッド・ハーヴェイ(2005=2007)「新自由主義とは何よりも、強力な私的所有権、自由市場、自由貿易を特徴とする制度的枠組みの範囲内で個々人の企業活動の自由とその能力とが無制約に発揮されることによって人類の富と福利が最も増大する、と主張する政治経済的実践の理論である。国家の役割は、こうした実践にふさわしい制度的枠組みを創出し維持することである。」(10)
「要するに新自由主義は言説様式として支配的なものとなったのである。それは、われわれの多くが世界を解釈し生活し理解する常識に一体化してしまうほど、思考様式に深く浸透している。」(11)

2 新自由主義をジェンダーの視点から考える
労働の女性化 ネグリ/ハート(2009=2012)『コモンウェルス』
①ジェンダー平等は未達成にも関わらず、労働市場における女性の割合が急速拡大
②女性労働の従来からの特性(不安定性、情動性)が全ての労働に浸透
社会的再生産領域の民営化 受け手としても働き手としても女性が大きく関与
社会保障・社会福祉の削減・民営化により女性の負担が増大 Bezanson/Luxton“Social Reproduction”
「女性の貧困」

フレイザー(2009=2011)
第二派フェミニズムによって始まった文化的変化は、それ自体としては有益なものだとしても、公正な社会のフェミニスト版と真っ向から対立する、資本主義社会の構造的変化を正当化するのに一役買った可能性を曖昧化してしまう

「後でわかったように、そのプロジェクトは大きくは死産に終わり、当時はよく理解されていなかったより深い歴史的力の犠牲となった。振り返ってみると、第二波フェミニズムの登場は、資本主義の性格の歴史的変化、すなわち、すでに見てきたような、国家組織型からネオリベラリズムへの変化とときを同じくしていた」(38)

ネオリベラリズムが再意味化したフェミニズムの4つの理想
①文化批判を絶対化し、アイデンティティ・ポリティクスの一変種へ変化
②第2波フェミニズムの家族賃金批判は、フレキシブルな資本主義に、ロマンスのかなりの部分を提供している
③国家権力を、市民のエンパワーメントと社会的公正を実現する機関として作りかえようという当初の展望は、今や、市場化と国家の削減のために使われている
④公正の範囲を国民国家の外に広げようとした試みは、資本主義の新形態の行政的需要とぴったりと符合するものとなった

「国家組織型資本主義の時代には疑いもなく解放的であった、経済主義・男性中心主義・国家管理主義・ウェストファリアリズムへの批判は、今や、曖昧さに満ちあふれ、資本主義の新形態の正当化需要に役立ちやすいものとなっている」(45)

3 日本における論点
前提:江原(1988)「女性身体は、近代におけるもっとも中心的なイデオロギーの場、闘争の場となった。すなわち女性は、自らすすんで、私生活の領域に追いやられた次世代の産出と養育の役割を担わねばならない、しかもそれゆえに公的領域における不利益を被ることを正当として承認せねばならない位置におかれたのである。この女性の位置は、自由という語義と平等という語義に対する瞞着を内包するものであった。」113
内藤(2015)「目的ではなく手段としての男女共同参画」
女性の非正規化と活用政策、少子化対策
女性間の競争・序列化と、賃労働と再生産の圧力の同時化
→反動として/矛盾的政策ではなく、新自由主義に本質的なものとして

女性の貧困化
ハーヴェイ「先進資本主義国における社会的保護の喪失は、とくに下層階級の女性に不利益をもたらした」(235-236)
下層女性への搾取と中間層女性への抑圧の違いと重なり
トリクル・ダウン理論の問題
「エリート女性の成功は一般女性/女性全体の底上げを導く」というイメージ
職務給や同一価値労働同一賃金を要求する女性運動への批判 永田(2010) 
新自由主義的「国家主義」の存在

日本におけるナショナリズムについて
渡辺治
日本の新自由主義が福祉国家を経ずに開発主義を再編して登場した結果、社会統合の破綻が他の先進国と比較しても深く顕在化したため、新保守主義が急伸長した
日本のナショナリズムは、グローバル化や新自由主義への反発としてではなく、新自由主義を支持する政治家や上層市民層を基盤としている
女性労働の新自由主義化と国家主義が結びついて展開されている

海妻(2010)「しかしこれまでのフェミニズムの議論は、このような『フェミニズムの担い手以外』の女性たちについて、必ずしも十分に検討してはこなかったのではないだろうか」100

フェミニズムの位置
「特集・80年代フェミニズムを総括する」『女性学年報』第12号1991年 上野千鶴子、江原由美子、大越愛子、織田元子:「マルフェミ」と「文化派」、「上部構造対下部構造」
大越(2012)「フェミニズムの脱運動化は、今省みれば、現実に起こる問題の進行から目をそらさせる、ネオ・リベラリズムの文化戦略に飲み込まれていった証とも言える」43
フーコー「社会本位政策が解消しなければならないものは、(中略)社会が引き起こす可能性のある反競争的メカニズム」198 →新自由主義的統治にとって社会的連帯を構想するフェミニズムは消去しなければならないもの

ポストフェミニズム論
Angela Mcrobbie,“The aftermath of feminism”SAGE 2009
・「今より早い70-80年代の時期にフェミニストの活動や運動が勝ち取ったかのように見える成果に対するバックラッシュとは異なる、ある新しい種類の反フェミニスト的感情によって特徴づけられる状況という意味でポストフェミニズムと呼ばれうる社会的文化的風景」
ネオリベラリズム下でジェンダー・セクシュアリティは以前と異なる新しい秩序を形成している

ポストフェミニズムの存在
ポストフェミニズムは新自由主義のジェンダー・イデオロギー?
現象 ルミネCM HKT48歌詞「ディアナ・アグロン」 運動文化のジェンダー戦略利用
「古い」「遅れている」という批判の仕方 フレイザーのフェミニズム文化主義との関連
「女子力」現象 菊地(2016)
新自由主義:市場=競争≠自然な競争(福祉国家)
フーコー「すなわち、純粋競争は原始的所与ではないということです。それは長い努力の成果でしかありえないし、実を言えば、純粋競争に到達することは決してないでしょう」148←「女子力を磨くのはいいことだ」という意識
文化領域の中枢で保守的なジェンダー秩序の更新されたバージョンが確立しつつあるのではないか=ネオリベラル・ジェンダー秩序

行政のポストフェミニズム化

新自由主義における国家の役割
⇨自治体の動き:橋下、石原らの首長の存在
公共空間におけるネーミングライツの商品化、公共空間の有料化
志摩市の碧志摩メグ公認キャラ問題(”萌えキャラ”)
愛知県豊橋市JK広報室、福井県鯖江市JK課
「国家フェミニズム」の議論に照らして考えると、行政や官僚に女性が参入することをフェミニズムと把握することの問題の根深さ

結婚とネオリベラリズム
前提 結婚制度はヘテロセクシズムの最も基本的な紐帯 近代社会(経済/政治/文化)を構成する基本制度
婚活の流行、制度化 経済活動や生存戦略としての結婚のメリットの増大
 
同性婚・同性パートナーシップ
LGBTの可視化とフェミニズムの不可視化
兼子(2015)アメリカ同性婚運動と新自由主義の論理の親和性


加藤(2015)「生産性向上のためであるならば、現代の企業にとって異性愛(中心)主義は必要不可欠というわけではないことを示唆している」「仮にこの『非異性愛的』社会運動が定着して言語的に分節化したとしても、直ちに資本主義を変革できるかどうかは疑問」(61)としてフレイザーを支持
企業のLGBTフレンドリー施策と経済構造の異性愛主義との距離

「非異性愛的社会運動」内の分岐に注目する必要=クィア・スタディーズの中心的論点
「異性愛的セクシュアリティの脱構築」という問題は、単なるマイノリティへの「寛容」(ウェンディ・ブラウン)を意味するのではなく、ジェンダー不平等な社会制度およびそれにもとづいた経済構造の変革を意味しているということ 
その意味で、LGBT運動の目標が「同性婚」実現であるかのように認知されがちな傾向は、運動の意義を矮小化する危険

最後に
女性と貧困ネット「『女性の人生は、ひとりでは安心できないのがあたりまえ』にNOという女性たちのネットワーク」
「女性の貧困」は単なる収入の低さや労働環境の悪さのみを意味するものではない:従来の格差・貧困論との違い 社会システム全体の変革を求めるもの
フレイザーの論は日本のフェミニズムの現状に対する説明としても可能
→フェミニズムがなぜネオリベラリズムに簒奪されたのかという問い
資本主義の展開による「女性の地位の向上」「社会進出」(労働力および購買力としての女性)とフェミニズムの進展が混同されていないか exバブル期のフェミニズム
「女性が上昇すること」についての認識の違い フェミニズムの権力観
スピヴァクのサバルタン論


文献
Nancy Fraser, 'Feminism, Capitalism and the Cunning of History', New Left Review 2:56 March/April 2009=関口すみ子訳「フェミニズム、資本主義、歴史の狡猾さ」『法学志林』第109巻第1号、2011年
足立真理子「2000年代以降の新自由主義・新保守主義とジェンダー主流化」『ジェンダー研究』2015
江原由美子『フェミニズムと権力作用』勁草書房1988
アントニオ・ネグリ/マイケル・ハート(2009=2012)『コモンウェルス』NHK出版
永田瞬「労働市場改革と均等待遇」福岡県立大学人間社会学部紀要2010. vol. 19 No.1
海妻径子「批判知としてのフェミニズムの課題」『唯物論研究年誌』 第15号(2010), pp.95-104大月書店
内藤和美「あらためて『男女共同参画社会形成』、『女性の活躍推進』を問う」『立教大学ジェンダーフォーラム年報』第17号2015
大越愛子「ジェンダーの視点からの反原発運動」近畿大学国際人文科学研究所『述5 反原発問題』論創社2012
加藤泰史「フレイザーとバトラーの『再分配/承認』論争」越智博美・河野真太郎編『ジェンダーにおける「承認」と「再分配」』彩流社2015
兼子歩「アメリカ同性婚運動と新自由主義・家族・人権」『明治大学教養論集』506号2015
David Harvey, "Neoliberalism"2005 Oxford University Press.(渡辺治監訳『新自由主義』作品社2007)
菊地夏野「「女子力」とポストフェミニズム : 大学生の「女子力」使用実態アンケート調査から」『人間文化研究』25号 2016年
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by anti-phallus | 2016-06-23 14:39 | 仕事 | Comments(0)

「慰安婦」問題・日韓「合意」を考える

 短文を書かせていただいた本が完成しました。前田さんの編集ですが、前田さんはとにかくすごい仕事量。一貫した立場だし、すごいなあ・・・。
 1080円です。韓国語に訳されるらしい。
 日韓合意で解決したと勘違いされている人も多いので、是非読んでいただきたい。個人的には名字が「菊池」になっていなくて良かった・・・・とホッf0210120_15395029.jpg。よく間違われるのです。


「慰安婦」問題・日韓「合意」を考える (彩流社ブックレット)

前田 朗 (著)


第I部 日韓合意をどのように受け止めるか
1.責任転嫁を許さない――梁澄子
2.責任と反省なき二重基準で、「私たち」は この過去を終わらせることができるか――西野瑠美子
3.日韓合意に関する法的批判――川上詩朗
4.性奴隷制とは何か――前田 朗
5.安倍晋三と日本軍性奴隷問題――田中利幸
6.フェミニズム倫理学から考える、日韓合意――岡野八代
7.「日韓は合意を白紙化すべき」――吉見義明

第II部 「慰安婦」問題・日韓合意を批判する各界からのメッセージ
野平晋作/申惠丰/阿部浩己/矢野秀喜/土井敏邦/ 木瀬慶子/辛淑玉/小林久公/角田由紀子/崔善愛/ 大森典子/奥本京子/菊地夏野/庵逧由香/安世鴻/ 清末愛砂/乗松聡子/宮西いづみ/高橋哲哉/金富子/ 徐勝/元百合子/坪川宏子/岡本有佳/吉池俊子/方清子
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by anti-phallus | 2016-04-25 15:40 | 仕事 | Comments(0)

論文公開「『女子力』とポストフェミニズム」

 論文公開されました〜ブログでも何度か書いてきた女子力現象についてです。学生と一緒にアンケート調査をしたものをもとにしました。


↓から読めます。

『女子力』とポストフェミニズム ───大学生の「女子力」使用実態アンケート調査から───
『人間文化研究』25号

 アンケート調査の自由回答、非常に面白いです。
 女子力という言葉が無批判に、よいものとして増殖している現状に危機感を感じて行った調査です。まるで女子力は女性の解放の証拠かのようにいわれたりもしていますが、調査の一部を紹介すると、女子力のイメージとしていちばん多かったのは「家事」「服装」「メイク」なんですね。これは旧来の「女らしさ」役割と同じです。

 女子力は、旧来のジェンダー秩序を最新型に再編成したものの主要なボキャブラリーだというのがわたしの主張です。

 こういう主張、あまりまだ出ていないと思いますが、女子力現象に違和感のある人はそんなに少なくないだろうというのも今回の調査で感じたことでした。
 是非ご意見、ご批判お待ちしています。

大学の紀要サイトがメンテ中で不具合がありリンクできないので、仕方なく(汗)各ページの画像ファイルをアップしました。読みにくくてすみませんが、クリックすれば拡大もできるようですのでご利用ください。 →復旧しましたが、もったいないのでとりあえずこのままアップしておきます。

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by anti-phallus | 2016-03-04 15:39 | 仕事 | Comments(5)

論文公開

 名古屋は雨続きでうっとうしい天気です。最近家事にはまっているので洗濯物が干しにくくて悲しいです。
 さて先日書いた論文が大学紀要に掲載されました。

「セックス・ワーク概念の理論的射程-フェミニズム理論における売買春と家事労働」

というものです。上記リンクから本文をダウンロードできますので、ご関心のある方に読んでいただければ幸いです。
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by anti-phallus | 2015-09-03 13:17 | 仕事 | Comments(0)

宣伝・ポストフェミニズム論

 最近書いたものの宣伝をします。

『ジェンダーにおける「承認」と「再分配」   格差、文化、イスラーム』
越智博美・河野真太郎編、彩流社 2800円+税
出版社HP →ココ

・・という本に、「ポストフェミニズムと日本社会」と題する論文を書きました。

 この本には、全体を通してネオリベラリズムが進行し、フェミニズムが「簒奪」されているかのような現代社会をどうにか切り開こうとする問題意識が通底しています。

 帯より。
「多様性が承認される「自由」な社会。「自由な個人」として不平等な市場に組み込まれるわたしたち。文化か、経済か。承認か、再分配か−−−−−−このジレンマを乗り越えることは可能なのか。
ポスト新自由主義を見すえるジェンダー研究の最前線。」

 私が書いたのは、英米のポストフェミニズムの議論を紹介しながら、それが日本の現状に照らし合わせるとどうなのか、ということです。フレイザーの問題意識とも絡めながら、ネオリベラリズムのジェンダー・パラダイムともいうべきポストフェミニズムを、日本の現実から批判していくことが今最も重要なことのひとつだと思っています。

他にも先鋭的な問題提起が多く収められています。
 どうぞお読みください。


=====================
目次

第一部 承認と再分配の問題とは何か
第一章 承認論とジェンダー論が交叉するところ(藤野 寛)
第二章 フレイザーとバトラーの「再分配/承認」論争(加藤 泰史)
第三章 ポストフェミニズムと日本社会(菊地 夏野)
    —— 女子力・婚活・男女共同参画
第四章 〈分配か承認か〉の手前で(岡野 八代)
    —— ケアの倫理からの再考
第五章 分配的正義から交換的正義へ(中山 徹)
    —— 「我が家の楽園」としてのコミュニズム

第二部 承認、再分配、そして文化
第六章 「貧困との戦い」の行方(越智 博美)
    —— 貧困の文化化とアパラチア
第七章 学習社会とポストフェミニズム(河野 真太郎)
    —— 『リタの教育』における終わりなき成長
第八章 シングルマザーが夢見るユートピア(町田 みどり)
    —— 『時を飛翔する女』における「家族」のオルタナティヴ
第九章 承認の外へ(井上 間従文)
    —— 根間智子と仲宗根香織の写真における「問い」としての沖縄
第十章 フランスの地方美術館による作品収蔵と芸術家の様相(小泉 順也)
    —— 印象派とポスト印象派を中心に

第三部 イスラームと女性
第十一章 イスラームと女性の地位(鵜飼 哲)
     —— まず、知るべきこと
第十二章 現代フランスにおける「スカーフ論争」とは何なのか(森 千香子)
     —— レイシズムと女性の身体をめぐって
第十三章 表象=代表 (representation) 、知識人、教育(中井 亜佐子)
     ——マララ・ユスフザイの国連スピーチを読む

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by anti-phallus | 2015-05-18 16:01 | 仕事 | Comments(0)

ジェンダー・セクシュアリティの視点からレイシズムを考える

 先日11月23日に、ICU(国際基督教大学)のCGS(ジェンダー研究センター)でシンポジウムがありました。呼んでいただいてパネリストのお仕事をさせていただきました。「対立を語り直す」というタイトルで、下記のようなものでした。
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 終わるまでとても緊張したのですが、振り返ってみるとずいぶんと重要な、深い企画だったと改めて思います。ちょっと驚くくらいに。
 そもそもの企画の発案が、最近のヘイト・スピーチの問題から発しています。街頭で、差別的なスピーチを叫び続ける集団と、それに対する「カウンター」のひとびとによる批判の行動。マスコミでも報じられているのでご存知の方も多いかと思いますが、一体この先どうなるか予断を許さない状況と言っていいでしょう。
 この企画はそのようななか、ヘイト・スピーチ現象を批判するさいに、ジェンダーやセクシュアリティの問題が抜け落ちているのではないかという問題意識から設定されました。
 ヘイト・スピーチがターゲットとしていることのひとつが、「慰安婦」問題を消し去ることですから、この指摘はもっともなことです。単に、ヘイト・スピーチを「レイシズム」と括ってしまうと、性暴力の問題が見えなくなってしまいます。これは非常に大きな問題です。

 企画では鄭暎惠(ちょんよんへ)さんが、ポスト・コロニアル・フェミニズムの可能性を話されて、私も改めてその必要を感じました。
 
 これまで、「慰安婦」問題はこのまま消えていってしまうのだろうかと漠然と不安に思っていましたが、最近の情勢を見るにつけ、おそらく決して消えはしないだろうと思うようになりました。ただし、正確に戦後責任の問題として政治的、社会的に認識されるまでは、幻影のように、ナショナリストが否定しても否定しきれない、亡霊のようにこの日本社会で残存し続けるのではないでしょうか。
 現在起きている「民主主義への嫌悪」。ものを考えるひとびとはこの現状から逃げることはできないでしょう。
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by anti-phallus | 2014-12-02 18:32 | 仕事 | Comments(0)

大学×非正規×女性×貧困

 キャンパス・セクハラ全国ネットの集会で、京大非常勤の実態調査について報告させていただくことになりました。会員以外の方でも参加できますのでぜひぜひ。
下記リンクを参照してください。
キャンパス・セクハラ全国ネット
9月7日(日)全体シンポジウム: 13:00~15:30
「大学における雇用の劣化とハラスメント」 416室
近年、大学でも増える一方の非正規雇用。そのなかで、すでに一応は確立を見たはずの「ハラスメント」という差別の言挙げの枠組み、この不法な行為への対処と防止の方策は、根底を掘り崩されかねないように見える。雇用自体が崩壊しつつあるという背景を考慮しないまま、ハラスメントの根絶のみを追求し続けることは妥当なのか?
今回の全体シンポジウムでは、女性と労働の問題に詳しい3人の講師の報告を受け、雇用の「劣化」状況下で起こっている今日のハラスメントに、どのように取り組んでいくことができるのかを考えたい。
「ハラスメント」の意味の希薄化に抗して、この言葉を再び、女性の働く権利を守る武器として取り戻すために……。
講師:
中野麻美(弁護士、NPO法人派遣労働ネットワーク理事長)
菊地夏野(名古屋市立大学准教授)
戒能民江(お茶の水女子大学名誉教授)
司会:
大理奈穂子(一橋大学非常勤講師)
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by anti-phallus | 2014-08-25 15:11 | 仕事 | Comments(0)

エリック・ファッサンヨーロッパにおけるセクシュアル・デモクラシーと移民

 ひさしぶりに超面白い講演会に出てしまった…!!
 2月21日に南山大学で行われた、エリック・ファッサンさんの講演。

「ヨーロッパにおけるセクシュアル・デモクラシーと移民——文明の衝突からナショナル・アイデンティティへ」(通訳あり)

講演:エリック・ファッサン(Eric FASSIN)
フランス高等師範学校教授(社会学)
日時:2月21日(火)15時〜17時
会場:南山大学名古屋キャンパス J棟1階Pルーム
主催:南山大学ヨーロッパ研究センター
共催:社会倫理研究所、東海社会学会

 主催の友人から聞いていたので期待していったら期待以上に良かったです。
 後で聞いたんだけど、実はファッサンさんはジュディス・バトラーを仏語訳した人らしい。
 主催関係者はジェンダーやセクシュアリティが専門の人はいないからか、あまりその価値は強調されてなかったけど、これすごいですよね(あくまでミーハー的にですが)。

 通訳は菊池恵介さん。的確で分かりやすい通訳でストレスフリーで聞けました。感謝いたします。

 ファッサンさんに了解をいただいたので、下に、わたしの取った講演メモを文章化したものを紹介します。是非みなさんと共有したいです。アメリカや、せめてイギリスくらいの情報しか入ってこないけど、それだけじゃだめだなーと痛感しました。世界が開けるような感覚をもったのはひさしぶり。
 質疑応答も活発でしたが、わたしの投げた質疑の部分だけ上げておきます。

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●はじめに
 日本から見たフランスのイメージは「人権」「革命」の国だろうが、じっさいにはその通りではなく、矛盾を持っている。フランスには、底辺層でのクセノフォビア(外国人嫌悪)および上流層と国家レベルでのクセノフォビアが存在している。この問題を語るときにここでは、文化本質主義に陥るのではなく、政治的側面を重視して、どのような政治が展開されているのか考えたい。
 フランスでは第2次大戦後、「人種」という言葉がタブーになった。1950年代からの経済成長の時代、外国人労働者と旧植民地出身者が流入した。二重の移民が存在したのだ。80年代には第2世代が登場し、移民問題が出現する。
 
●移民政策の歴史
 戦後流入した移民は、1970年代に低成長経済に入り、導入に歯止めがかけられた。国境は閉鎖され、労働移民の受け入れは停止した。その結果、移民の定住化が進み、家族の呼び寄せが問題となる。
 1980年代からは極右政党が復活し、レイシズムへの回帰が見られるようになった。それに対する批判はふたつの流れがあった。ひとつは多文化主義であり、“SOSラシズム”のように、差異への権利を主張する流れであり、もうひとつは共和主義であり、性別や宗教、出自等の集団の権利を否定する流れであった。これらが極右の人種主義に対して登場した。

●共和主義の登場
 しかし1990年代から、共和主義がマイノリティの運動への批判として前景化してきた。1989年、革命200年祭のときに最初のスカーフ論争が起きた。スカーフ問題とは、宗教の問題ではなく、共和主義というナショナル・アイデンティティをおびやかすもの、フランス的ではないものを抑えようという言説とつながっている。フランス的でないものとは、アメリカ的なものであり、アメリカ的なコミュニタリズム、フェミニズムや同性愛に代表されるようなアメリカのアイデンティティ・ポリティクスであるという図式があった。

●2000年代からの変化
 2000年代からさらに変化し、PACSやパリテ(議会における男女平等を実現するために政党に候補者の半数を女性にするよう義務づける法律など諸制度)の議論が生まれて法制化された。これらが受け入れられたのは、「平等」を前面に打ち出したからである。マイノリティの権利ではなく、普遍的な権利として受け入れられた。このようにセクシュアリティが議論されることで、テレビやマスコミでマイノリティの可視化が進んだ。
 ところが、「セクシュアル・マイノリティ対人種的マイノリティ」と対立的に語られるようになっていった。とくに9.11以降、「われわれ対他者(ムスリム)」という図式が成立し、「文明の衝突」論を借りて「文明のセクシュアルな衝突」が語られるようになった。「民主主義のレベルを測るのは男女関係によってである」と語られるようになった。共和主義者が突然フェミニズムを語るようになったのだ。

●セクシュアル・デモクラシー
 そしてこれらが移民政策に投影されるようになった。わたしはこれを「セクシュアル・デモクラシー」と名付けているが、自由・平等という価値をセクシュアリティに拡大していくことを意味している。例えば移民へのシティズンシップ・テスト中で男女平等や同性愛についての質問を入れること。こういった動きは、同性愛者団体にとっては矛盾を含むものだ。ほかにもオランダのシティズンシップ・テストでは、ビデオでムスリムへ女性のノーブラの映像や男性同士が抱擁する映像を見せて反応を見たりする。このようにセクシュアルな価値が道具化され、他者排斥のための論理に使われてしまっている。
 ただし、オランダではじっさいに同性愛者の権利が認められているが、フランスでは同性愛よりは男女平等を重視しているという違いはある。例えばサルコジが、「自分は生まれながらにヘテロだ」と発言したことがあるように。
 2002年の大統領選では、ルペン対シラクの決選投票が行われ、移民問題が争点になった。移民とセクシュアリティを絡めて排斥が行われる。「移民は女性を尊重しない」から排斥すべきだ、というように。

●最後に
 最後に論点を3つにまとめたい。
 第1に、これらの反復の中にも重要な点があり、スカーフ論争の論点は変化している。世俗主義という抽象的な原理から、男女平等、セクシュアル・デモクラシーへと変化している。
 第2に、80年代のようなあからさまな人種主義的イデオロギーから、構造的レイシズムに変化している。構造的レイシズムとは例えば、大学では人種主義はよくないといいながら、構成員は白人ばかりであるような状況。「女性の権利の尊重」といって人種的マイノリティを疎外していく国家的レイシズムがある。
 第3に、セクシュアル・デモクラシーの両義的な性格である。性的な問題が公的に語られるようになったのは大きな前進であるが、同時にそれが道具化されてもいる。しかしわたしは、その二者択一に乗るべきではないと考える。


Q. セクシュアル・デモクラシーという矛盾ある状況に対して、当事者団体、例えばフェミニストや同性愛者の運動はどのように対応しているのか、対立等はないのか。

A. 残念ながら、フェミニストのマジョリティはスカーフ禁止に賛成している。イスラムを批判し、レイシズムともとれる発言をするフェミニストもいた。有名なフェミニストが、レイシストの集会の発起人になった。しかし、一部のフェミニストはこれらの動きを批判し、クリスティーヌ・デルフィーもフェミニズムを口実にするレイシズムを批判している。
 売買春問題でもフェミニズムは分裂している。フェミニストのマジョリティは廃止主義である。サルコジの売春禁止法にも賛成したが、その政策が当事者へおよぼす危険性については顧みない。しかし、Femme de Publicなど少数のフェミニストはそれを批判している。
 このようにメインストリームのフェミニズムによるレイシズムや売春禁止を批判したものたちの共通点は若い世代のフェミニストである。例えば郊外のアラブ系移民の排斥にフェミニズムがどのように利用されたかという研究や、"Not With Our Name"(our nameというのはフェミニズムのこと)という論集が出されている。
 同性愛者の運動については、オランダの同性愛者の運動はセクシュアル・デモクラシーについて明確な態度を取ったが、フランスではとっていない。フランスではあまり同性愛者について触れられていない。
 「なぜゲイが保守派に投票するようになったか」という論文があり、ゲイとレイシズムの関係について探った研究がある。今度の選挙では、多くの同性愛者が極右に投票するだろうと予測されている。郊外においていかに同性愛者差別がひどいかという報道や本があふれている。SOSホモフォビアというグループは郊外の移民街で啓発活動を行っているが、ホモフォビアはパリ中心部にも存在している。それを移民にのみ存在するかのようにいうのは間違っている。
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by anti-phallus | 2012-02-24 11:18 | 仕事 | Comments(0)

感想もろもろ

京都滞在、濃い時間だった。
文句なく言えるのは、お会いできたひとみなとの出会いがすばらしかった。
名古屋に戻ってきて反芻。
ゆっくり話せる時間が取れた人も、そうでない人もどのひととの接触も今までになく良かった。

どの人もそれぞれに自分のこだわりや活動、思想を持っていて、それを他人と共有しようとしている。
地位やお金じゃなく、自分の人生を生きようとしている姿勢がすごいなと思った。
決してみながいわゆる「元気」な訳じゃなく、引きこもりと自称しているような人も多かったけど、
その次元とは別に、それぞれの存在感があって、他者への尊重があった。

そんな空気と時間の中で、自分はどうするのか、問われる気がする。
でもあせらず、何かを信じて、みなとともに現在の行き詰まった世界を生き延びていきたい。
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by anti-phallus | 2012-02-08 00:16 | 仕事 | Comments(0)