菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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2011年 09月 11日 ( 1 )

男女のカップルの不自由「2lines 私、妊娠しました」

 また更新まで間が空いてしまった。あまり熟考してないんだけどとりあえず書く。
 今日は9/11。3/11を経たせいで、また違った意味を感じる。どう違って感じているのか、まだ言葉にはできない。
 先週は愛知国際女性映画祭があり、ちらっとだけ行った。「two lines」という韓国のドキュメンタリー映画が心に残った。これは,日本ではほかにはまだ公開の予定はないらしい。そんなレアな映画の評を書いてもしょうがないような気もするんだけど、いつか多くの人に観られる機会があることを願って書く。

 これははっきりとしたフェミ映画でした。結婚と出産をめぐったもの。監督(女)は、家父長制への批判的な感覚から、結婚制度には反対で、恋人(男)ができて同居はしても結婚はしない。だけど、ある日、恐れていた二本の線を妊娠検査薬に発見して、それからどんどん渦の中に。
 周囲の雰囲気、「子どもができたら結婚するのが当然」に抗して、結婚せずに出産しようとするが、生まれた子どもに病気があった。そのような場合、公的な保障を得られるが、それには結婚している親でないと得られない。また、子どもの病気は自分のせいなんじゃないかと監督は自分を責め、うつになる。そうして、とうとう、結婚する。
 これだけ見ると、結局「家父長制に屈服した」ことになるので、元気の出ない映画ということになるんだけど、そうはいわず、一歩引いて見ると面白い。
 結婚したとたん、監督は無口になり、画面にあまり登場しなくなる。登場しても,表情が暗い。それまでユニークな、意志の強い顔で登場し、自分や社会を語っていた監督が、急に変わるんです。
 そしてその代わり饒舌になるのがパートナーなんです。もちろんそういう監督の選ぶ相手だから「家父長制的」ではなく、問題意識もあるし、家事もやってそうだし、良さそうなひとなんだけど、どんどん語る。その語りは、自分の中のマッチョな意識を自省するものだったり監督への思いやりだったり、感じはいい。
 でもやっぱり、語っているのは夫なんです・・・

 映画は、あまりはっきりとしない結末でとりあえず終わる。監督のトークによればまだ未完のようです。後にどんなラストが付け加えられるのか分からないけれど、今回の上映版でも十分伝わるものはあったように思う。

 それは、男女のカップルで性的な、親密な関係を作ることの難しさがよく表現されていた,ということ。同性のカップルの困難はあるところではよく語られるけど、男女のカップルこそ、良い関係を作るのが難しいんじゃないかと思う。対等で、自由な、相手を本当に尊重できる関係を作るのは、男女のカップルの場合、とてつもなく難しいと思う。
 ここで異性愛のカップルじゃなく「男女のカップル」という言い方をしているのは、男女のカップルで、自覚的に異性愛を選び取っているひとたちがどれだけいるのかなと疑わしいから。大半の人はそのまま社会の制度に乗っているだけだろうから。
 男女のカップルは、すぐに異性愛の制度に回収されてしまう。それは、ものすごい力で。
 単に結婚という制度の力だけではなく、経済構造の力、人々の視線、本人たちの意識。

 この映画は、その社会の力、本人も内面化している権力をよく映像に表現していた。制作者がどれだけ意識化していたのか分からないところがまたすごい。

 ほかには、子どもができるまではある程度自由にできていても、妊娠したとたん制度に回収されるところが日本とすごく似ていると思った。だけど、結婚についても人生についても、それぞれのひとがよく言葉にして語っていたところが日本と韓国の違いだろうかと思った。
 結婚制度がなくならない限り、ひととひとの自由で対等な、親密な関係は難しい。早くみんな気づけばいいのに・・・。















































 
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by anti-phallus | 2011-09-11 23:15 | シネマレビュー | Comments(0)