菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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2017年衆院選挙結果を受けて 小池百合子と山尾志桜里と

今回の選挙にはかなり心を振り回されてしまった。前原誠司氏が民進党を希望の党に合流させたところから、驚いた。民進党はいちおう戦後左翼を代表する大政党だった社会党の後継だったはず。それがこんな簡単に選挙戦略のために解体されていいのか、というのが率直に疑問だった。案の定、結局は希望の党は失速した。前原氏の政治的責任は重い。この政治状況に良い面があるとしたら、政策的にごちゃごちゃだった民進党が一掃され、ある程度路線の明確な立憲民主党ができたことだ。

立憲民主が躍り出て、少し希望が見えるものの、与党の「3分の2」超獲得という結果についてどう考えたらよいだろうか。いくつか気にかかること、けれどもあまり世間では論じられていないように見えることがあるので書いてみたい。

希望の党騒ぎをどう評価したらよいか。希望の党とはほぼ小池百合子を意味しているわけだが、私はこの騒ぎが、今のマスコミ、ひいては日本社会の女性への扱いを象徴しているように感じられて仕方ない。ちょっと目立つと一斉に注目し、ちやほやするが、必ず何かスキャンダルなり事件なりマイナスな出来事が起きて、そうすると手のひらを返したように叩く。山尾志桜里議員、少し前の小保方晴子さん、もっと前の辻元清美、みなそうではないだろうか。最初の頃の、チヤホヤぶりも、その女性の実際の「実力」や「実績」を公正に評価しているようにも感じられない。「女性なのに(すごい)」という男性中心的な視線が感じられる。それが一旦ケチがつくと、同じことを男性がやったときに想定される以上の制裁が行われていないだろうか。

ただ、小池氏はそういうマスコミのバイアスも承知の上で行動しているようにも見える。何らかの政治的駆け引きの結果の行動であろうから、小池氏は単純にマスコミのジェンダーバイアスから損をしたとはいえない。
私は小池氏をもちろん支持していない。きちんとした政治的見識がある政治家とは考えられない。とくに安全保障政策や憲法改正問題への姿勢において評価できない。だが同時に、マスメディアの報道ぶりにも疑問を感じる。そういうアンビバレントな印象を、彼女を見ていると抱いてしまい、居心地が悪い。小池氏の政治的立場をよく理解せずに、彼女の女性という性別ゆえに期待をしている女性有権者や若い人たちの存在を考えると、全く悲しくなる。この社会が女性に対してバイアスを課しているゆえに、多くの女性が「強い女性」に見える小池氏に期待をし、小池氏やその周辺はその期待を利用するが、彼女/彼らの政治がその期待に応えることはおそらく絶対にない。どうしたら多くの人は眼が覚めるのか・・・。

マスコミと政治の男性中心性で最も損失を受けたのが山尾志桜里氏だろう。「不倫疑惑」というが、「不倫」というのは結婚制度への忠誠があるからこそ成立する概念で、わたしの「反婚」の立場からは意味のない概念である(笑)。あるとしたら、当事者を傷つけないようにできるだけ関係性を一つ一つ尊重した方がいいという信念から、どうジャッジできるかということのみである。そう考えると、山尾さんの私的な関係性を問えるのはその当事者たちのみであるから、そのことを国政という政治の場面に持ち出す必要性はゼロである。安倍首相が森友・加計学園問題で批判されてもいまだ無傷でいるのと比べて、山尾氏への制裁はあまりに過剰で異様なほどだ。ただし誤解のないように書いておけば、ハラスメント等は別問題だ。例えばクリントン元大統領のセクハラ問題があったが、あれは被害者の告発があり問題化したものである。ハラスメントとは権力関係のある中での性的な力の行使だから、いわゆる「不倫」というものとは次元が異なる。

歴史的に見れば、男性には婚外の性関係が奨励されるが女性には貞節や夫への忠誠を求める時代が長かった。現在日本では法的にその意味での男女の差が解消されたとはいえ、社会的には男性のそれより女性のそれに対するほうが視線は冷たい。
保育園の問題で注目を集めていた山尾さん。保育園の問題とはすなわち女性の問題である。保育園が不足していて、利用できずにまず困るのは女性である。そのような女性たちのニーズを受けて、注目されていた山尾氏が、「不倫」疑惑という男性中心的な問題化で政治的に追い詰められるとは、なんとも皮肉というか、逆によくできたお話のようにも見える。山尾氏を追い詰めた週刊誌は、常に女性の(半)ヌードグラビアを載せているような媒体だ。男性中心社会からのリベンジのような。

とはいえ選挙では辛勝したことは、本当に「お疲れ様」と言いたい。これからも彼女にはこの疑惑の語りがついてまわるのだろうけど、そういう「傷」を負ってこそ、頑張って欲しい、いろんな「傷」を受けている女性のために。

ちなみに瀬戸内寂聴さんが、この疑惑について「絶対クロ」だとした上で、どうのこうのという論評を新聞で発表していたが、このようになんでもスキャンダル化+(ヘテロ)ロマン化して発言しようとする層にはもういい加減紙面を提供するのを「自粛」して欲しいものである(笑)。(追記:あれは山尾応援論だという説を聞きましたが、だとしても、冒頭、山尾さんの容貌についてどうのこうのと書いていて、政治家を容貌のみで評価している時点でもうアウトでは?なんか女優のことでも書いてるのかと思った・・。飲み屋の談義じゃないんだから。こういうところが日本の新聞のジェンダー意識の低さを示しています)

そして最後に残る問題は、あいかわらずの自民党へのマジョリティの依存である。自民党に投票している人々がいちばん気にしているのは「経済」や「景気」であろう。自民党が「経済」に強いというのは幻想である。自民党が強いのは、「景気」をよくしたと見せかけて、エリート大企業へ利益を誘導するマジック戦略である。自分たちの生活をよくしたいのならば、「人権」や「公正」を優先する政治にしないといけないのに。

世の中が不安定化し縮小していると感じられると、権力のあるマッチョな存在に救いを求めてしまいがちだ。国の軍事力を解禁させようとするのはその象徴である。だがそれでは権力の不均衡が再生産されるだけ。不均衡のあるところ、必ず状況は暴力的になり、社会問題は拡大する。少しでも不均衡を是正させようとする政治が最終的に安定を保証するのである。ああ、もう少し政治リテラシーが向上しないと・・・。































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by anti-phallus | 2017-10-27 13:54 | つれづれ | Comments(0)