菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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小人の饗宴

 ヘルツォークの『小人の饗宴』はすごかった。観ているのが苦痛だったはずなのにいつの間にか快感になっている・・・。シュヴァンクマイエルの『アリス』を観たとき以来の衝撃。
 同じく障害者が出てくるという意味で例えば原一男の『さよならCP』と比べて考えれば、ヘルツォークがどれだけぶっ飛んでいるかよく分かる。原はあくまで運動(障害者解放運動)と伴走しようと撮っている。しかしそのなかで被写体がそこからはずれていく瞬間があって、それが魅力にもなっている。『ゆきゆきて神軍』もぶっとんでるけど、あれはあくまでぶっとんだ被写体に監督が振り回されている構図。
 『小人の饗宴』はもう全てがぶっとんでいた。悪罵と暴力と虐待の中で、観客は自分の枠組みが崩れていくのを感じ、理性や正義がいかに薄いものであるか実感させられる。理性や正義が人を解放するのではない。暴力や差別こそが解放なのだと言うように。しかし映画は、暴力や差別によって解放されているはずの人間たちの狂乱を映し続け、解放という言葉のむなしさを照り返すようだ。理性や正義が登場しない狂気の世界では、狂気こそがスタンダードとなる。そして人間たちは狂気に縛られ、運転手のいない車とともに廻り続ける。

 ニュー・ジャーマン・シネマの旗手と称されているが、フランスのヌーヴェルヴァーグより、こっちのほうがすごいんじゃないかと思った。正直、ゴダールは何作観てもわたしにはちっとも面白くなく、近年のものは特に単なる形式美にしか見えない。ルイ・マルやトリュフォーは大好きだけど、ヘルツォークのインパクトはないなあ。
 しかしヘルツォークをやってくれる名古屋シネマテークはほんとうにありがたい。どうかつぶれずに頑張って名古屋の文化ステージを引っ張ってほしい。名駅裏のシルバー・ゴールド劇場の閉館を迎えて、ますますそう思う。
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by anti-phallus | 2012-01-09 20:48 | シネマレビュー | Comments(0)