菊地夏野のブログ。こけしネコ。


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ワークショップに参加して

 昨日、日本女性学会大会のワークショップ、「フェミニズム運動や研究組織における非正規・無償労働問題を問い直す」に参加しました。これは、ユニオンWAN争議の経験から何を学ぶかを趣旨にしたような企画(たぶん)です。
 みなさんご存じだと思いますがこの争議は和解という形でいちおう終了しました。(非営利団体における雇用を考える会(仮)のブログ参照)
 ワークショップ全体の感想としては、かなり多様な論点が出されて、貴重な時空間だったと思います。主催側からの発題としてまずミヤマアキラさんから、「フェミ/女性運動において、平場の関係、シスターフッドなどの言葉によりそこにある雇用関係・権力関係が隠蔽される問題」「事務労働が軽視されている問題」など重要な問題提起がありました。次の清水晶子さんからは、とくに大学界において無償労働や非正規労働が当事者間の意向をも封じる形で抑圧化していくメカニズムが指摘されました。斎藤正美さんからは、それらの論点をまとめる形で包括的にボランティア労働の問題をどのように考えるべきか問いかけがされました。(変なまとめ方だったらごめんなさい。ちゃんと記録が取れていないので。。)

 清水さんの問題提起について、会場ではうまくつながれていなかったような気がしますが、問題提起された意図はよく分るような気がしました。というのは、フェミを中心とする研究界において当初は社会変革的な問題意識からその学問業界の発展のためと思って引き受けたボランティアの仕事が、いつしかやりたくないけど立場上断れないもの、断ったらまずいもの、無償労働に変質していく。あるいは、自分の地位や名声のためではなく、あくまでも批判的な営為として研究を行っていても、それを広く発表しよう、読まれようとしているうちに、初期の意志が変質して、凡百の保守的なよくある研究になっていくようなプロセス。
 分りにくい書き方になっちゃってますが、つまりアカデミズムの中では、その仕事が自発的にやってるものなのか、嫌々やらされているのか非常に見えにくいという特性があるように思います。それは、企業におけるサービス残業などと同じところはありますが、より過剰な要素があるように思う。
 というのはアカデミズムにおける「研究」というものが、教育とは違ってあくまでも自発的に個々の研究者が行うことになっているという点がひとつ。研究に対しては一部の研究所等をのぞいて、大学では原則として賃金が支払われません。そういう意味で自発的なものだし、それぞれの研究者の問題意識から発するという点でも自発的。学会も、自発的に参加し、発表し、討議する場所。ですが、じっさいにはそういう学会や研究者のネットワークの中で論文の執筆や発表の機会が提供され、研究会が催され、パネラーが選定され、果ては専任のポストへのチャンスも提示される。自発的で無償の場において、大きな資源が分配されている。その資源の有無や多寡によって、いわゆる「高学歴ワーキングプアー」から「年収○千万円の有名大学の先生」まで天と地の開きがある。そして、だからこそ研究者たちは「自発的に」その場に参加していく。
 これは、とてもストレスフルなメカニズムであり、複雑な権力の働く磁場です。こういう権力の磁場の中で慣れ、生き抜いていくのが研究者・学者の仕事であるといっても過言ではないと思います(そう言いたくないが)。
 このシステムを、前にキャンパス・セクハラの論文の中でホモソーシャリティとの関連で少し論じたことがありますが、やっぱり重要なポイントですね。
 清水さんはこのへんの複雑さについて考えてらっしゃったのかと思いますが、もしかしたら違うのかもしれません。。

 ほかにもフロアからたくさんの大事な問題提起がされました。2時間の時間枠だったので、どのように今後つながっていくのかは分りませんが、わたしにとって、ユニオンWANの争議から何を得て何に生かしていくのか、まだ整理できていないので考えはじめる良い機会になったことは確かです。
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by anti-phallus | 2010-06-21 17:26 | ユニオンWAN争議 | Comments(0)